オーストラリアでカジュアル雇用として働き始めるとき、雇用主から渡されるべき書類が2通あります。
公正労働オンブズマン(Fair Work Ombudsman)は、こう記載しています。「雇用主は、すべての新規カジュアル従業員に対し、新しい仕事を始める前、またはできるだけ早く、Casual Employment Information Statement(CEIS)を渡さなければなりません」。
そして続きます。「雇用主はまた、すべての新規カジュアル従業員に対し、同時にFair Work Information Statement(FWIS)のコピーも渡さなければなりません」。
根拠は公正労働法(Fair Work Act 2009)第125A条・第125B条とされています。好意ではなく、法令上の義務です。
そしてCEISは、複数の言語で提供されています。Fair Workは「CEISは、当局のLanguage helpセクションにおいて多数の異なる言語でも利用できます」と記載しています。
この記事は、オーストラリアでカジュアル雇用として働く人に向けて、公式に確認できる範囲を整理したものです。
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受け取るべき書類は、状況によって3種類あります
| 書類 | いつ渡されるか |
|---|---|
| CEIS(Casual Employment Information Statement) | カジュアル雇用の開始前、またはできるだけ早く |
| FWIS(Fair Work Information Statement) | CEISと同時 |
| FTCIS(Fixed Term Contract Information Statement) | 新たな有期契約を結ぶとき |
3つ目は、契約の形によって加わります
Fair Workは「従業員が新たな有期契約(fixed term contract)を結ぶ場合、その従業員にはFixed Term Contract Information Statement(FTCIS)のコピーも渡されなければなりません」と記載しています。
つまり自分の雇用がどの形なのかによって、渡される書類が変わります。カジュアルならCEISとFWISの2通。有期契約が絡めば3通目が加わる。
ここは、自分の雇用形態を確認する手がかりにもなります。「どの書類を渡されたか」で、雇用主が自分をどう分類しているかが見える、ということです。
逆に、何も渡されていない場合。それは雇用主が義務を果たしていない可能性を示しますが、同時に「自分の雇用形態が曖昧なまま働いている」ということでもあります。
あわせて読みたいワーホリの海外送金|手数料と為替で目減りさせない送り方ワーホリ・留学の海外送金完全ガイド。Wise・Revolut・銀行送金を運営者カナダ12ヶ月実体験で徹底比較。手数料0.CEISに書かれている6つのこと
Fair Workが列挙している項目です
「CEISは、新規カジュアル従業員に対し、その雇用条件に関する情報を提供します」としたうえで、含まれる情報が6つ挙げられています。- カジュアル従業員の定義
- 雇用主がカジュアル転換(casual conversion)を申し出なければならない場合
- 雇用主が転換を申し出なくてよい場合
- カジュアル従業員が転換を要求できる場合
- 小規模事業主に雇用されるカジュアル従業員の転換に関する権利
- 転換に関する紛争を扱う公正労働委員会(Fair Work Commission)の役割
そして最後の項目が重い。転換をめぐって紛争になった場合、公正労働委員会という機関が扱うと書かれています。争いになり得る前提で、解決の場が用意されているということです。
本記事では、転換の具体的な要件・手続き・期限については扱いません。CEISそのものおよびFair Workの該当ページで確認してください。制度は改正されており、条件も雇用形態や事業規模によって変わります。 あわせて読みたい豪州のスカイダイビング|持ち込み規則の確認方法と選び方APF(オーストラリア・パラシュート連盟)によれば、自分のカメラの持ち込みには100回以上の経験とClass Cが必要で
複数言語で提供されています
「読めなかった」を前提にしていない制度です
Fair Workは「CEISは、Language helpセクションにおいて多数の異なる言語でも利用できます」と記載しています。
本記事では、日本語版が提供されているかどうかを確認していません。そのため断定はしません。ただし「英語以外の言語で用意されている」という事実は、確認しに行く価値があることを意味します。
この設計は、他の制度にも見られます。クイーンズランド州のダイビング実施規範には「英語以外の言語を話す人々に対する指導と助言」という項目が置かれていました。オーストラリアは、英語が母語でない人が働き、遊ぶことを制度の前提に組み込んでいます。
だから、英語版を渡されて理解できなかったとき。「自分の英語力の問題だ」と片づける前に、他の言語版があるかを確認してください。それは制度が用意している選択肢です。
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Fair Workが認めている方法
雇用主がCEISを渡す方法として、次が挙げられています。- 対面で
- 郵送で
- メールで
- Fair Workのウェブサイトの該当ページへのリンクをメールで送る
- 雇用主の社内イントラネット上のCEISへのリンクをメールで送る
- FAXで
- その他の方法で
やること:入社時に受け取ったメールを消さないでください。リンクが含まれていれば、それが交付の記録になります。
そしてもう1つ、雇用主側への注意書きがあります。「雇用主は、CEISを交付しなければならない時点で有効なバージョンを渡す必要があります。正しいバージョンを渡すため、定期的にこのページを確認すべきです」。
これは制度が改正され続けていることの裏返しです。数年前の情報が現在も正しいとは限りません。 あわせて読みたい豪州・NZで運転する|期限の数え方と切替の進め方ニュージーランドでは2026年11月1日から、海外の車の免許で運転できる期間が18か月から12か月に短縮されます。起算日
12か月に1回で足ります
反復交付の扱い
Fair Workは「雇用主は、いかなる12か月の期間においても、カジュアル従業員にCEISを複数回渡す必要はありません」と記載しています。
例も挙げられています。「たとえば雇用主が12か月の期間中に異なる時期にカジュアル従業員を一時的に雇用する場合、CEISを1回渡せば足ります」。
これはワーキング・ホリデーの働き方と関係します。同じ雇用主のもとで、繁忙期だけ、あるいは断続的に働くという形は珍しくありません。その場合、2回目以降にCEISが渡されなくても、制度上は問題がないということです。
だから最初の1回が重要になります。受け取った書類は保管してください。
なお、雇用主が変われば別の話です。新しい雇用主のもとで働き始めれば、その雇用主に交付義務が生じます。
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Fair Workは相談窓口を案内しています
Fair Workは職場の問題について、こう記載しています。「問題はどの職場でも起こり得ます。職場に問題がある場合、それを解決するのに役立つツールと情報があります」。そして「Fixing a workplace problem(職場の問題を解決する)」というセクションで、次の実務情報を提供しているとしています。
- 問題があるかどうかを判断すること
- 問題の解決について、雇用主または従業員と話すこと
- 自分で解決できない場合に、当局から支援を得ること
CEISが渡されていない場合、まずは雇用主に尋ねるのが現実的でしょう。交付方法にメールでのリンク送付も含まれる以上、「送ったつもりだったが届いていなかった」という行き違いもあり得ます。
そして自分の側の記録も残してください。いつ働き始めたか、どの書類を受け取ったか。これは賃金の確認にも共通する備えです。 あわせて読みたいワーホリの盗難・詐欺|書面と記録で自分を守る方法ワーホリ中の盗難・詐欺・金銭トラブルの防ぎ方と対処法。運営者のカナダ12ヶ月で実際に起きた事例(友人のクレジットカード盗
この書類が意味するもの
「カジュアルのまま」を当然としない設計です
CEISの6項目のうち4つが転換に関するものだという事実は、制度の姿勢を示しています。カジュアル雇用を、恒久的な状態としてではなく、変わり得るものとして扱っている。
ワーキング・ホリデーの多くはカジュアル雇用です。日本語では「アルバイト」と訳されがちですが、オーストラリアのカジュアルには、時給への加算や転換の権利など、固有の制度が組み合わされています。
賃金面については別の記事で扱いました。豪州の最低賃金は全国最低賃金とアワード(業種別)の2階建てで、公正労働オンブズマンは従業員の大半がアワードの対象としています。カジュアルの加算も、この枠組みの中にあります。
そして働く人の権利全般は、国によって設計が異なります。ニュージーランドの権利とも、イギリスの年齢区分とも違う。「英語圏だから同じ」は、ここでも成り立ちません。
働き始める前に、確認できること
- ①CEISとFWISを受け取ったか:紙とは限りません。メールのリンクも正規の交付です
- ②自分の雇用形態は何か:渡された書類の種類が手がかりになります
- ③他の言語版があるか確認する:Fair WorkのLanguage helpセクションに案内があります
オーストラリアでカジュアル雇用として働くとき、雇用主にはCEISとFWISを渡す義務があります。根拠は公正労働法第125A条・第125B条です。
CEISの内容は、6項目のうち4つがカジュアル転換に関するものです。そして転換の紛争は公正労働委員会が扱うと明記されています。争いになり得ることを前提に、解決の場が用意されている制度です。
まず、自分が何を受け取ったかを確認してください。それが分からなければ、権利の話はそこから先に進みません。
この記事について:運営者はカナダで12ヶ月、米国で半年を過ごしましたが、オーストラリアには渡航していません。本記事は制度を公的資料から整理したものであり、現地での就労体験は含みません。
出典は公正労働オンブズマン(Fair Work Ombudsman)「Casual Employment Information Statement」(2026年8月時点で確認)です。根拠法はFair Work Act 2009 第125A条・第125B条とされています。本記事では、カジュアル従業員の定義、カジュアル転換の具体的な要件・手続き・期限、雇用主が転換を申し出なければならない場合と申し出なくてよい場合の区別、小規模事業主に関する特則、公正労働委員会への申立て方法、カジュアルの時給加算率、解雇に関する規定については扱っておらず、判断も示していません。これらはCEISそのものおよびFair Workの該当ページでご確認ください。また日本語版CEISの有無については確認していません。Fair Workは「CEISは多数の異なる言語でも利用できる」と記載しているため、Language helpセクションでご確認ください。制度は改正されます。Fair Work自身が「雇用主は交付時点で有効なバージョンを渡す必要があり、定期的にページを確認すべき」と注意喚起しています。個別の労働問題については、Fair Work Ombudsmanまたは専門家にご相談ください。本記事は法的助言ではありません。
Employment New Zealandによれば、書面の雇用合意書を渡さない雇用主は$1,000の反則金、さらに個人には最大$10,000、法人には最大$20,000の罰則の対象とされています。契約書に必ず書かれるべき項目と、個人的苦情の「90日」という期限を整理しました。
→ ニュージーランドの雇用合意書|書面の義務と、契約書に必ず書かれる「90日」
NSWではボンドをNSW Fair Trading(州機関)が保持します。大家がボンドを解放するのを待つ必要はなく、条件を満たせば自分から返還請求ができ、受理から2営業日で入金。大家が差し引く場合は7日以内の証拠提出義務があり、出さないことは住居賃貸借法違反とされています。
→ 豪州NSWのレンタルボンド|預け先は州機関、返還請求はテナントから
National Insurance番号がなくても働き始められますが、緊急税コードになると週・月の収入を1年分とみなして課税され、税年度の終わりまで続きます。有給休暇は年5.6週間で、ゼロ時間契約の労働者も対象です。
→ 英国で働き始めるときの2つの数字|緊急税コードと年5.6週間の有給
英国の週48時間上限は本人の同意(自発的・書面)で外せますが、拒否しても不利益を受けないと明記されています。一方NZの休憩(8時間勤務で10分2回+30分1回)は、契約で減らす条項が効力を持ちません。
→ 労働時間と休憩|英国の48時間オプトアウトと、NZの減らせない休憩
英国の法定最低通知期間は勤続12年以上で12週間、オーストラリアは5年超の4週間が上限(45歳超・勤続2年以上でさらに1週間)。ワーホリの1年ならどちらも基本は1週間で、豪州には「通知に代わる支払い」という形もあります。
→ 雇用を終わらせるときの通知期間|英国の12週と、豪州の4週
時給が高い仕事ほど、英語のハードルが上がります。最低賃金より上を狙うなら、その差は語学力で埋めることになります。
① 話す回数を積む|ネイティブキャンプ
予約なしで回数を重ねられる形式です。読んで理解できることと、その場で口に出せることは別の能力です。渡航前に場数を踏んでおく用途に向きます。
ネイティブキャンプを見る →
③ 2社目の見解を取る|ラストリゾート
ワーホリ・語学留学の取り扱いが幅広く、資料請求・セミナー・カウンセリングと入口が分かれています。1社の説明が妥当かどうかは、2社目を並べたときに分かります。
ラストリゾートに相談・資料請求する →
豪州で働いたなら、年金(スーパー)が積み立てられています
帰国後にDASPとして請求できます。ただしワーホリの税率は65%(通常は35%・45%)。しかも書類の認証と口座は、帰国前にしか手当てできません。
BC州は「前日と翌日に働けば資格がある、というのは誤解」と政府が明示的に否定しています。一方アルバータ州には「休日の前後の予定勤務日を無断欠勤すると資格を失う」条件が実際にあります。祝日の数もBC州11日・アルバータ9日と違う。2州の祝日手当を比べるで、シフト勤務の5 of 9ルールまで整理しました。
BC州は「従業員が残業代を請求しないことに同意した場合であっても、雇用主は支払わなければならない」と明記しています。ただし基準は州で違い、週の閾値はBC州40時間・アルバータ44時間。BC州には1日12時間超で2倍の規定もあります。2州の残業規定を比べるで整理しました。
よくある質問
オーストラリアでカジュアル雇用されると、何をもらえますか?
公正労働オンブズマンによれば、雇用主はすべての新規カジュアル従業員に対し、新しい仕事を始める前またはできるだけ早く、Casual Employment Information Statement(CEIS)を渡さなければならないとされています。さらに同時にFair Work Information Statement(FWIS)のコピーも渡す必要があります。つまり2通です。また従業員が新たな有期契約を結ぶ場合は、Fixed Term Contract Information Statement(FTCIS)のコピーも渡されなければならないとされています。根拠は公正労働法(Fair Work Act 2009)第125A条・第125B条です。
CEISには何が書かれていますか?
Fair Workによれば、CEISは新規カジュアル従業員にその雇用条件に関する情報を提供するもので、次の6項目が含まれるとされています。カジュアル従業員の定義、雇用主がカジュアル転換を申し出なければならない場合、雇用主が転換を申し出なくてよい場合、カジュアル従業員が転換を要求できる場合、小規模事業主に雇用されるカジュアル従業員の転換に関する権利、そして転換に関する紛争を扱う公正労働委員会の役割です。6項目のうち4つがカジュアル転換に関するもので、実質的に「カジュアルから常用へ移る道筋」を説明する書類だと読めます。なお本記事では転換の具体的な要件・手続き・期限は扱っていません。
英語で渡されて理解できない場合はどうすればいいですか?
他の言語版があるか確認してください。Fair Workは「CEISは、当局のLanguage helpセクションにおいて多数の異なる言語でも利用できます」と記載しています。本記事では日本語版の有無を確認していないため断定はできませんが、英語以外の言語で用意されているという事実は、確認しに行く価値があることを意味します。なおオーストラリアではクイーンズランド州のダイビング実施規範にも「英語以外の言語を話す人々に対する指導と助言」という項目が置かれており、英語が母語でない人が働き遊ぶことを制度の前提に組み込んでいる傾向があります。
紙でもらえなかったのですが、問題ですか?
紙とは限りません。Fair Workが認めている交付方法には、対面、郵送、メール、Fair Workのウェブサイトの該当ページへのリンクをメールで送る、雇用主の社内イントラネット上のCEISへのリンクをメールで送る、FAX、その他の方法が挙げられています。つまり入社時のメールにリンクが貼られていた場合も正規の交付です。入社時に受け取ったメールは消さないでください。リンクが含まれていれば、それが交付の記録になります。
同じ職場で何度も働く場合、毎回もらえますか?
12か月に1回で足りるとされています。Fair Workは「雇用主は、いかなる12か月の期間においても、カジュアル従業員にCEISを複数回渡す必要はありません」とし、例として「雇用主が12か月の期間中に異なる時期にカジュアル従業員を一時的に雇用する場合、CEISを1回渡せば足ります」と記載しています。ワーキング・ホリデーでは繁忙期だけ、あるいは断続的に働く形が珍しくないため、2回目以降に渡されなくても制度上は問題がないということです。だからこそ最初の1回を保管してください。なお雇用主が変われば、新しい雇用主に交付義務が生じます。
受け取っていない場合、どうすればいいですか?
Fair Workは職場の問題について段階的な対応を案内しています。「Fixing a workplace problem」というセクションで、問題があるかどうかを判断すること、問題の解決について雇用主または従業員と話すこと、自分で解決できない場合に当局から支援を得ることの3つについて実務情報を提供しているとされています。順番が示されているのが特徴で、いきなり通報する制度設計ではありません。CEISが渡されていない場合、交付方法にメールでのリンク送付も含まれる以上、行き違いの可能性もあります。まず雇用主に尋ねるのが現実的です。あわせて、いつ働き始めたか、どの書類を受け取ったかを自分でも記録しておいてください。
帰国後のキャリアを、数字で設計する
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本記事の制度・条件・金額は執筆時点で公開情報を確認したものです(確認日:2026年8月8日)。制度や料金は変更される場合があるため、実際の手続き・申請の前に各機関の公式情報を必ずご確認ください。本記事は法的・専門的な助言ではなく、特定の結果を保証するものではありません。