オーストラリアで積み立てた年金の受け取り方——ワーホリの税率65%

豪州ワーホリの年金は帰国後に請求できる|税率65%の請求方法

オーストラリアで働くと、雇用主が「スーパーアニュエーション(退職年金)」を積み立てます。そして帰国後、それを受け取ることができます。

ただし税率が違います。

オーストラリア税務局(ATO)の税率表によれば、通常の一時滞在者は35%または45%。ところがワーキングホリデーメーカー(WHM)は65%です。

そしてこの65%には、見落とされやすい適用範囲があります。ATOはこう記載しています。「WHMのDASP税率は、別のビザで働いて得たスーパーを含め、支払額の全体に適用されます」。

さらに「いつWHMビザを保有していたかは関係ありません」とも書かれています。この記事では、ATOの公式資料から制度と手続きを整理します。

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先に、税率を並べます

支払いの構成要素通常の税率
(WHM以外)
WHMの税率
非課税部分なしなし
課税部分(課税済要素)35%65%
課税部分(未課税要素)45%65%

「WHM」に当たるのは、417(Working Holiday)ビザ、462(Work and Holiday)ビザ、および関連するブリッジングビザの保有者とされています。日本人のワーキングホリデーは417に該当します。

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DASPとは何か

帰国後に受け取る仕組みです

ATOは、こう説明しています。「一時滞在ビザでオーストラリアで働いた場合、雇用主が強制的なスーパー保証のもとで支払ったスーパーが積み立てられている可能性があります。オーストラリアを出国した後、このスーパー(およびその運用益やその他の拠出)を、出国オーストラリア退職年金支払(DASP)として(税を差し引いて)受け取る資格がある場合があります」。
受給できる条件は、次のすべてを満たす場合とされています。 つまり「ビザが切れて、出国している」ことが前提です。滞在中には請求できません。
なおニュージーランド国民がオーストラリアを永久に離れる場合は、スーパーをニュージーランドへ移管できる可能性があるとされています。 あわせて読みたい看護師のワーホリ・看護留学|費用と帰国後まで含めた選び方看護師のワーホリ・看護留学完全ガイド【2026年最新・保存版】海外有給看護インターン(ワーホリ活用・豪州)とは何か、種類

65%が適用される範囲は、思ったより広い

「一度でも」WHMビザを持っていれば
ここが本記事でいちばん伝えたい部分です。ATOの記載を、そのまま並べます。
「いつWHMビザを保有していたかは関係ありません。417または462、および関連するブリッジングビザを一度でも保有したことがあり、DASPに当該ビザ保有中に行われたスーパー拠出に帰属する金額が含まれている場合、WHMのDASP税率が適用されます」。
そして続けて、こう書かれています。WHMのDASP税率は、別のビザで働いて得たスーパーを含め、支払額の全体に適用されます」。
つまりこういうことです。ワーキングホリデーの後に学生ビザや就労ビザに切り替えて働いた場合でも、ワーホリ期間中の拠出が混ざっていれば、その後の期間の分も含めて全額に65%が適用され得ます。
ATOは3つのパターンで整理しています。
  • WHMビザを一度も保有したことがない——通常の税率(35%/45%)
  • WHMビザと関連するブリッジングビザのみ——WHM税率(65%)
  • WHMビザと他の種類のビザの両方——DASPにWHM期間の拠出が含まれるなら全額にWHM税率。含まれないなら通常の税率
税率はスーパーファンドごとに個別に判定されます。「DASPの税率は各スーパーファンドが個別に決定します。各ファンドは、保有する拠出に関する情報に基づいて適用税率を判断します」とされています。
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申請は出国後。ただし準備は出国前です

ATOが明確に推奨しています
「オーストラリアを出国するまでDASPを請求することはできませんが、必要な情報をすべて入手し、出国前に申請を開始することを強くお勧めします。出国した後で手続きを始めるのは難しい場合があります」。
オンライン申請システムは、豪州にいる間に開始して保存しておけます。「オーストラリアにいる間にオンライン申請を開始して保存できます。必要な情報がすべて手元にある状態で進めてください」とされています。
注意点も示されています。「オンライン申請を開始したときに入力した情報を控えておいてください。出国後に保存した申請を再開するには、同じ情報が必要になります」。
そして本人確認書類の認証について、こう書かれています。書類の認証は、オーストラリアにいる間のほうがはるかに簡単です。誰が認証できるかについては特定のルールがあるため、出国前に行うことをお勧めします」。
帰国してから「認証済みのコピーを出してください」と言われても、日本では手当てが難しくなります。ここが実務上の落とし穴です。
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$5,000という線があります

金額で手続きが変わります

スーパーの残高が$5,000以上の場合——ATOは「スーパー資金の価値が$5,000以上の場合、スーパーファンドは本人確認書類の認証済みコピーを要求することがあります」としています。

ペーパー申請の場合はさらに条件が加わります。「残高$5,000以上の口座について、スーパーファンドへのペーパー申請では、内務省(Home Affairs)が発行する『在留資格証明(Certification of Immigration Status)』が必要になる場合があり、内務省はこの証明書の発行に手数料を課します」。

残高が$5,000未満の場合——「オーストラリアを出国したこと、およびビザが失効したことの証拠を提示すれば、在留資格証明を取得せずに済みます」とされています。ただし必要な証拠はスーパーファンドに確認するよう案内されています。

なおオンライン申請システムを使う場合、この証明は原則として不要とされています。「DASPオンラインシステムは、内務省とオンラインで在留資格を自動的に確認します。スーパーファンドから指示がない限り、内務省に在留資格証明を申請する必要はありません」。

そしてオンライン申請システムの利用は無料とされています。ペーパー申請では、スーパーファンドが金額に応じて手数料を課す場合があるとも書かれています。

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放置すると、6か月でATOへ移ります

消えるわけではありませんが、手続きが変わります
ATOは、こう記載しています。「DASPを申請しない場合、次の両方に該当すると、スーパーファンドはあなたのスーパー資金を未請求スーパー資金としてATOへ移管します」。
  • オーストラリアを出国してから6か月以上が経過していること
  • ビザが失効していること
移管された後も請求はできます。「ATOが保有するスーパーをDASPとして請求できる場合があります」とされています。ただし申請先と用紙が変わります。
ATO保有分は、専用の様式(NAT 74880)をATOへ直接送る形とされ、「ATOへのペーパー申請に費用はかかりません」と書かれています。
ただし受け取り方法が制限されます。「ATO保有のスーパーについては、本人名義のオーストラリアの銀行口座へのEFT、または小切手のみを選択できます」。
つまり移管された後は、国際送金という選択肢がなくなります。
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受け取り方:口座を閉じる前に考える

3つの方法と、その制約

ATOは支払い方法として3つを挙げています。 そして重要な助言があります。EFTが通常もっとも効果的な支払い方法であり、DASPを受け取るためにオーストラリアの銀行口座を開いたままにしておくことを検討すべきです」。
「すべてのスーパーファンドがIMTを提供しているわけではありません。手数料や費用(為替の換算を含む)が発生する場合があるため、利用可能な支払い方法をファンドに確認してください」とも書かれています。
帰国前に現地口座を全部閉じてしまうと、受け取り手段が減ります。帰国前のお金のチェックリストで口座の解約を検討するときは、DASPの受け取りが終わっているかを先に確認する順番になります。
また「オーストラリアの銀行に、自国の口座へ送金できるかを確認してください」とも案内されています。豪州の銀行口座を維持する場合、この点は事前に聞いておく項目です。
支払いまでの日数も示されています。「DASPは通常、完成した申請書が受領されてから28日以内に支払われます。申請が不完全な場合や、追加の証拠書類の提出を求められた場合は、より長くかかることがあります」。

そのほか、押さえておく点

4つの実務的な確認事項

そして将来への影響についても明記されています。DASPを請求しても、将来のビザ申請に影響しません」。セカンドビザや別のビザで再訪する予定があっても、請求を控える理由にはならないということです。
本記事では、スーパー保証の拠出率、自分の残高がいくらになるかの試算、日本側での課税関係については扱っておらず、判断も示していません。

帰国前に、確認する3つ

オーストラリアで働いたぶんのスーパーは、帰国後に請求できます。ただしワーキングホリデーメーカーの税率は65%。通常の35%/45%とは大きく違います。

そして「いつWHMビザを保有していたかは関係ない」とされ、ワーホリ期間の拠出が含まれていれば支払額の全体に65%が適用されます。その後に別のビザで働いた分も同じ扱いです。

それでも、請求しなければ手元には来ません。65%を引かれても残る35%は、申請しなければゼロのままです。

実務でつまずくのは税率ではなく、書類と口座です。本人確認書類の認証は豪州にいる間のほうが簡単で、受け取りには豪州の銀行口座があるほうが選択肢が広い。どちらも「帰国前にしかできないこと」の側に入ります。

この記事について:運営者はカナダで12ヶ月、米国で半年を過ごしましたが、オーストラリアには渡航しておらず、DASPを請求した経験もありません。本記事は制度をオーストラリア税務局(ATO)の公式資料から整理したものであり、手続きの体験に基づくものではありません。
出典は、オーストラリア税務局(ATO)「Departing Australia superannuation payment (DASP)」(最終更新 2026年4月21日)です(2026年8月17日に確認)。関連法令として Migration Act 1958 および Superannuation (Unclaimed Money and Lost Members) Act 1999 第20P条が示されています。
本記事では、スーパー保証の拠出率、個別の残高や受取見込額の試算、課税部分と非課税部分の内訳の判定、日本の居住者としての課税関係、スーパーファンドごとの手数料、在留資格証明の発行手数料、申請から入金までの実際の所要日数については扱っておらず、判断も示していません。該当可否および適用税率は、各スーパーファンドが保有する情報に基づいて個別に判断されます。
また、本記事はオーストラリアの制度のみを扱っています。ニュージーランドのKiwiSaver、カナダ・英国の年金制度には、それぞれ別の仕組みと条件が適用されます。
制度・税率・様式・手数料は変更されます。申請の前に、必ずATOおよび加入しているスーパーファンドの最新の案内をご確認ください。本記事は税務上・法的な助言ではありません。個別の判断については、税務の専門家またはATOにご相談ください。

税の手続きは、期限と居住者判定で結果が変わります。そして書類の多くは現地でしか取れません。帰国後に気づいても、取り直せないものが混じります。

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よくある質問

オーストラリアのワーホリで積み立てた年金は帰国後にもらえますか?

オーストラリア税務局(ATO)によれば、一時滞在ビザで働いて積み立てられたスーパーは、出国オーストラリア退職年金支払(DASP)として受け取れる場合があります。条件は、移住法1958に基づく一時滞在ビザ(サブクラス405および410を除く)で働いてスーパーが積み立てられたこと、ビザが失効または取り消されていること、オーストラリアを出国し他の有効な豪州ビザを保有していないこと、豪州・ニュージーランド国民でも豪州永住者でもないこと、のすべてを満たす場合とされています。

ワーホリの場合、税率はいくらですか?

ATOの税率表によれば、DASPの課税部分について、通常の税率は課税済要素35%・未課税要素45%ですが、ワーキングホリデーメーカー(WHM)は課税済要素・未課税要素ともに65%とされています。非課税部分はいずれも課税されません。WHMに当たるのは417(Working Holiday)ビザ、462(Work and Holiday)ビザおよび関連するブリッジングビザの保有者とされています。

ワーホリの後に別のビザで働いた分はどうなりますか?

ATOは「WHMのDASP税率は、別のビザで働いて得たスーパーを含め、支払額の全体に適用されます」と記載しています。また「いつWHMビザを保有していたかは関係ありません。417または462および関連するブリッジングビザを一度でも保有したことがあり、DASPに当該ビザ保有中の拠出に帰属する金額が含まれている場合、WHMのDASP税率が適用されます」とされています。税率は各スーパーファンドが保有する情報に基づいて個別に判定されます。

申請はいつからできますか?

ATOは「オーストラリアを出国するまでDASPを請求することはできません」としています。ただし「必要な情報をすべて入手し、出国前に申請を開始することを強くお勧めします。出国した後で手続きを始めるのは難しい場合があります」とも記載しています。オンライン申請は豪州にいる間に開始して保存でき、出国後に再開する形になります。再開には開始時に入力した情報が必要とされています。

申請しないまま放置するとどうなりますか?

ATOによれば、DASPを申請しない場合、オーストラリアを出国してから6か月以上が経過し、かつビザが失効していると、スーパーファンドはスーパー資金を未請求スーパー資金としてATOへ移管するとされています。移管後もATO保有分としてDASPを請求できる場合がありますが、申請様式が変わり、受け取り方法も本人名義の豪州の銀行口座へのEFTまたは小切手のみになるとされています。

豪州の銀行口座は閉じてよいですか?

ATOは「EFTが通常もっとも効果的な支払い方法であり、DASPを受け取るためにオーストラリアの銀行口座を開いたままにしておくことを検討すべきです」と記載しています。支払い方法は豪州の銀行口座へのEFT、豪ドル建て小切手、国際送金(IMT・スーパーファンドへの申請の場合のみ)の3つで、すべてのファンドがIMTを提供しているわけではないとされています。また豪州の銀行に自国の口座へ送金できるかを確認するよう案内されています。

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本記事の制度・条件・金額は執筆時点で公開情報を確認したものです(確認日:2026年8月16日)。制度や料金は変更される場合があるため、実際の手続き・申請の前に各機関の公式情報を必ずご確認ください。本記事は法的・専門的な助言ではなく、特定の結果を保証するものではありません。