帰国時に荷物を送るなら——その日の空港でしかできない別送品の申告

帰国時の別送品|空港での申告が要る荷物の送り方と締切

1年分の荷物は、スーツケースに入りません。だから帰国前に一部を日本へ送ることになります。

ここで知っておくべきことがあります。送った荷物を「別送品」として簡単な手続きで通せるかどうかは、帰国した日の空港で決まります。

日本の税関は、はっきりこう書いています。「入国(帰国)後は別送品の申告はできません」。

そして申告書に押される確認印は、再発行されません。「確認印を押した申告書を紛失された場合の再発行はできません」と明記されています。

申告しなかった場合や紛失した場合は、一般の貿易貨物と同様の輸入手続きが必要になります。この記事では、税関の公式資料から、送る前・空港・受け取りの3段階を整理します。

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先に、3つの締切を並べます

タイミングやることやらないと
①発送するとき
(現地)
外装・税関告知書・送り状に「別送品(Unaccompanied Baggage)」と明記一般の郵便物・貨物として扱われる
②帰国した日
(空港)
「携帯品・別送品申告書」を2通提出し、1通に確認印をもらう帰国後は申告できない
③帰国後6か月以内荷物を日本に到着させ、通関する簡易な手続きの対象から外れる

3つとも、後から取り戻せません。特に②は、その日その場でしかできない手続きです。

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「別送品」とは何か

税関の定義

税関は、別送品をこう説明しています。「別送品とは、引越貨物、旅行で不要になった土産品や身の回り品などを、携帯品として持ち帰るのとは別に渡航先から郵便や宅配便などを利用して送ったものです」という趣旨の記載です。

そして重要な条件があります。「別送品として通関できるものは、原則として本人の帰国(入国)後6か月以内に輸入するものに限られます」。

ワーキングホリデーの帰国は、この定義にそのまま当てはまります。1年分の衣類、本、現地で買った日用品。持ち帰れないぶんを送るなら、それは別送品です。

ただし例外も示されています。「商業貨物や高額な物品を別送品として本邦に送った場合には、一般の貿易貨物と同様の手続きが必要となる場合があります」。個人的に使うものかどうかが、扱いの分かれ目になります。

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①発送するとき:外装への表示が起点です

「別送品」と書いていないと、別送品にならない
税関は、発送時の注意点として次を挙げています。
  • 品物の外装、税関告知書(郵便物)、送り状などに「別送品」と明確に表示すること
  • 名宛人を自分自身にすること
  • 土産品店などに依頼して送る場合は、「別送品(Unaccompanied Baggage)」の表示を必ず行うよう店員に指示すること
表示がないとどうなるか。税関はこう記載しています。「品物の外装、税関告知書、送り状などに『別送品(Unaccompanied baggage)』の表示がないと、『別送品』とは知らないまま配送業者が税関へ運賃を請求したり、日本で『別送品』が扱われないまま輸入通関が終わってしまうケースがあります」という趣旨です。
その結果、「せっかく旅行者の免税枠が残っていても使えない状態になってしまいます」とされています。
つまり手続きの起点は、日本の空港ではなく、現地の郵便局や配送業者のカウンターです。そこで「Unaccompanied Baggage」と書いてもらう。これを忘れると、あとの手続きが効かなくなります。

配送業者に依頼するときの追加の注意

税関は、業者に運送を依頼する場合についても記載しています。「取扱業者によっては別送品を取り扱わない、または到着の通知をしない場合があります」。

そのため「一般の貿易貨物として輸入申告されないように、あらかじめ運送業者(通関業者)に対し、別送品を取り扱えるか確認のうえ、預ける荷物が別送品であることを通知することが重要です」とされています。

つまり「送れるか」ではなく「別送品として送れるか」を確認する必要があります。この2つは同じではありません。

渡航先の郵便・配送の実務は国によって違います。帰国前のお金のチェックリストとあわせて、出国の1か月前くらいから確認しておく項目になります。

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②帰国した日:申告書を2通、その場で

ここが最大の分岐点です
税関の記載は明確です。「『携帯品・別送品申告書』(税関様式C第5360号)を2通、税関に提出してください。そのうち1通に税関が確認印を押してお返ししますので、大切に保管してください」。
そして続く一文が決定的です。入国後、別送品の申告を行うことや確認印を押した申告書を紛失された場合の再発行はできませんのでご注意ください」。
別ページでも繰り返されています。入国(帰国)後は別送品の申告はできません。別送品のある方は、入国(帰国)時に忘れずに申告してください」。
2通という点も見落とされます。税関は「別送品を複数送った場合であっても2通です」としています。荷物の数だけ用意する必要はありませんが、1通では足りません。
用紙は「主要空港の税関検査場に用紙を用意しています」とされています。ただし到着後の混雑を考えると、機内で配られる時点で2通書いておくほうが確実です。
申告しなかった場合、何が起きるのか
税関はこう記載しています。「別送品の申告をしなかった場合や確認印を受けた『携帯品・別送品申告書』を紛失された場合は、一般の貿易貨物と同様の輸入手続きが必要となります」。
「一般の貿易貨物と同様の輸入手続き」が何を意味するのか。本記事では具体的な手順・必要書類・費用の判断を示しません。ただし、旅行者向けの簡易な扱いから外れるという点は明らかです。
そして返してもらった1通は、荷物を受け取るときに使います。「渡された申告書は、別送品を受け取る際の税関手続きのときに必要となります」とされています。
帰国してから荷物が届くまでの数週間、この紙を保管しておく必要があるということです。引っ越しの多い時期と重なりやすいので、失くしやすい紙の代表格になります。
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③免税の範囲:携帯品と別送品の「合計」で見ます

一人あたり20万円

税関は免税範囲について、こう案内しています。「免税の範囲は、携帯品あるいは別送品(入国(帰国)後6か月以内に輸入するものに限ります)のうち、個人的に使用すると認められるものに限り、入国者一人当たり20万円以内」という趣旨です。

注意すべきは、これが携帯品と別送品の合計だという点です。スーツケースに入れて持ち帰るものと、送るものを別々に20万円ずつ、ではありません。

そして超えた場合の扱いも示されています。「合計額が20万円を超える場合には、20万円以内に納まる品物が免税になり、その残りの品物に課税されます」。

この点は旅行者に配慮された運用になっています。「税関は、旅行者の皆さんに有利になるように、免税となる品目を選択の上、課税します」とされています。つまり税率の高いものから免税枠に入れてもらえる形です。

1個で20万円を超えるものは、全額が課税されます
ここは知らないと計算を間違えます。税関は、こう記載しています。「1個で20万円を超える品物については、その全額に課税されます」。
示されている例で言えば、25万円の品物がある場合、20万円を引いた5万円ではなく、25万円すべてが課税の対象になります。
ワーキングホリデーの帰国で、これに当たりそうなものを考えてみます。現地で買ったパソコン、カメラ、楽器、スノーボードやスキーの一式。単価が高い買い物をしている場合、この線を意識する価値があります。
本記事では、個別の品物が課税対象になるかどうか、税額がいくらになるかの判断は示しません。品目によって税率が異なり、為替や購入時期でも変わります。金額が大きい場合は、渡航先を出る前に税関へ問い合わせてください。
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荷物の受け取り方は、送り方で変わります

3つのルート

税関は、別送品の到着後の手続きを送り方ごとに分けて説明しています。 3つ目が実務上いちばん気を抜きやすい形です。業者がやってくれるぶん、こちらから申告書を渡さないと、一般の貨物として通関が進んでしまいます。
そして郵便の場合の注意も示されています。外装に「別送品」の表示がないと、一般の郵便物として扱われ「国際郵便物課税通知書」が届くことがあります。この場合、税金を納付する前に通知書を差し出した税関外郵出張所へ問い合わせるよう案内されています。納付してしまうと免税を受けられないことがあるためです。 あわせて読みたい帰国後に年収が上がる会社選び|給与テーブルの見分け方ワーホリ帰国後に年収が上がるかは「努力」より「会社の仕組み(給与テーブル)」で決まります。会社選びの3大条件(安定・体力

「送る」か「持ち帰る」かの判断

手続きの重さを計算に入れる

ここまでの内容を整理すると、別送品には手間がかかります。現地での表示依頼、空港での申告書2通、確認印の保管、到着後の手続き。

一方、超過手荷物として持ち帰れば、この手続きは発生しません。免税範囲の計算には入りますが、別送品としての手続きは不要です。

だから判断は「送料と超過手荷物料金の比較」だけでは終わりません。金額が近いなら、手続きの少ないほうを選ぶ価値があります。

本記事では、各国の郵便・配送料金、航空会社の超過手荷物料金については扱っておらず、比較も示していません。会社と路線によって大きく異なるためです。渡航先の郵便事業者と、利用する航空会社の公式案内でご確認ください。

ただし判断の順番は示せます。①持ち帰る量を決める →②残りを送ると決めたら、業者に「別送品として扱えるか」を確認する →③帰国日に申告書を2通書く。この順番です。

持ち物の絞り方は持ち物リストの記事で扱っています。渡航前に「持っていかない」判断ができていれば、帰国時に送る量そのものが減ります。

帰国前に、確認する3つ

帰国時に荷物を送るなら、手続きは3か所に分かれています。現地での表示、空港での申告、到着後の受け取り。

そして真ん中の「空港での申告」だけは、その日にしかできません。税関は「入国(帰国)後は別送品の申告はできません」「確認印を押した申告書を紛失された場合の再発行はできません」と明記しています。

免税の範囲は携帯品と別送品の合計で一人20万円。そして1個で20万円を超える品物は、その全額が課税対象になります。

やることは、機内で申告書を2通書くだけです。費用はかかりません。ですが忘れると、一般の貿易貨物と同じ手続きに切り替わります。帰国の日に、荷物のことを思い出せるかどうかの話です。

この記事について:運営者はカナダで12ヶ月、米国で半年を過ごし帰国しました。ただし本記事の制度・手続きに関する記述は、個人の記憶ではなく税関の公式資料をもとに整理したものであり、別送品の手続きを行った記録ではありません。
出典は、日本国税関「別送品手続(渡航先から荷物を送る)」「7103 別送品がある場合の税関への申告手続(カスタムスアンサー)」「入国(帰国)時における『携帯品・別送品申告書』の提出」「海外旅行者の免税範囲」です(いずれも2026年8月17日に確認)。関連する法令として、関税法第6条の2・第8条・第67条、関税定率法施行令第14条、関税法基本通達67-4-10が挙げられています。
本記事では、「一般の貿易貨物と同様の輸入手続き」の具体的な手順・必要書類・費用、品目ごとの税率と税額の計算、個別の品物が課税対象になるかどうかの判断、各国の郵便・配送料金、航空会社の超過手荷物料金、渡航先での輸出手続きについては扱っておらず、判断も示していません。該当可否および税額は個別の事情によって判断されます。
また、渡航先の国から荷物を送り出す際の手続きは、国ごとに異なります。本記事が扱っているのは日本側の受け入れ手続きです。発送側の条件は、現地の郵便事業者・配送業者にご確認ください。
制度・金額・様式・期限は変更されます。帰国前および発送前に、必ず税関の公式ページで最新の情報をご確認ください。本記事は税務上・法的な助言ではありません。個別の手続きについては、最寄りの税関の相談窓口にお問い合わせください。

税の手続きは、期限と居住者判定で結果が変わります。そして書類の多くは現地でしか取れません。帰国後に気づいても、取り直せないものが混じります。

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持ち込める金額に上限はありませんが、一定額を超えると税関への申告が必要です。日本は100万円相当額を「超える」場合、豪州・カナダ・NZ・英国はいずれも10,000(各国通貨)「以上」で、境界の扱いが違います。申告漏れは差押えや罰金の対象になります。現金の申告基準(5か国比較)で整理しました。
常用している薬がある場合
厚労省の麻薬取締部は、携帯輸出入の許可について「渡航先の外国における持込みを保証するものではありません」と明記しています。日本側と渡航先側は別々の制度で、日本の申請期限は出国日の2週間前まで。英国・豪州はいずれも3か月分が上限です。薬の持ち込み手続きで整理しました。

よくある質問

帰国してから別送品の申告はできますか?

できません。日本の税関は「入国(帰国)後は別送品の申告はできません。別送品のある方は、入国(帰国)時に忘れずに申告してください」と明記しています。また「確認印を押した申告書を紛失された場合の再発行はできません」ともされています。別送品の申告をしなかった場合や確認印を受けた申告書を紛失した場合は、一般の貿易貨物と同様の輸入手続きが必要になるとされています。

「携帯品・別送品申告書」は何通必要ですか?

2通です。税関は「『携帯品・別送品申告書』(税関様式C第5360号)を2通、税関に提出してください。そのうち1通に税関が確認印を押してお返ししますので、大切に保管してください」としています。別送品を複数送った場合であっても2通とされています。返却された1通は、別送品を受け取る際の税関手続きで必要になります。

荷物はいつまでに日本に届けばよいですか?

税関は「別送品として通関できるものは、原則として本人の帰国(入国)後6か月以内に輸入するものに限られます」としています。船便を利用する場合は所要日数を逆算してご確認ください。

免税の範囲はいくらですか?

税関は「免税の範囲は、携帯品あるいは別送品(入国(帰国)後6か月以内に輸入するものに限ります)のうち、個人的に使用すると認められるものに限り、入国者一人当たり20万円以内」としています。これは携帯品と別送品の合計です。合計額が20万円を超える場合は20万円以内に納まる品物が免税になり、残りに課税されます。税関は旅行者に有利になるように免税となる品目を選択したうえで課税するとされています。

1個で20万円を超えるものはどうなりますか?

税関は「1個で20万円を超える品物については、その全額に課税されます」と記載しています。示されている例で言えば25万円の品物の場合、20万円を差し引いた5万円ではなく25万円すべてが課税対象になります。本記事では個別の品物の税額の判断は示しません。金額が大きい場合は税関へお問い合わせください。

配送業者に頼めば大丈夫ですか?

確認が必要です。税関は「取扱業者によっては別送品を取り扱わない、または到着の通知をしない場合があります」とし、「一般の貿易貨物として輸入申告されないように、あらかじめ運送業者(通関業者)に対し、別送品を取り扱えるか確認のうえ、預ける荷物が別送品であることを通知することが重要です」としています。また土産品店などに依頼して送る場合は「別送品(Unaccompanied Baggage)」の表示を必ず行うよう店員に指示するよう案内されています。

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