マルタ・イタリア・ワーホリの判断基準|新設国は情報がないこと自体がリスクです【2026年版】

マルタ・イタリアのワーホリ|枠100名と500名の狙い方

数字から言います。2026年、日本のワーキング・ホリデー協定国が2つ増えました。マルタ(1月開始・年間発給枠100名)とイタリア(4月1日施行・年間発給枠500名)です。これで32か国・地域になりました。

ここで注意してほしいことがあります。民間の情報サイトの多くが、マルタについて「定員はまだ公式に発表されていない」と記載しています。ところが外務省の資料には、年間発給枠100名と明記されています(令和8年4月1日現在)。

100名です。英語学習先として実績のある国で、この枠。アイルランドの800名よりさらに狭い。

そしてイタリアは、2022年5月に口上書を交換してから、施行まで約4年かかりました。マルタに至っては9年間の議論を経ています(マルタ政府発表)。

論点は1つです。新設された国は、情報がありません。それをどう補うかが、この2か国を検討する人の課題になります。

この記事は、マルタ・イタリアのワーホリを検討している人に向けて書いています。

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この記事を書いている立場:運営者はカナダで12ヶ月、米国で半年を過ごしましたが、マルタにもイタリアにも渡航していません。現地の生活・仕事・家探しについての体験談は書きません。本記事は各国政府・大使館の公表内容を整理したものです。
出典は本文中に明記します。発給枠は外務省「ワーキング・ホリデー制度」(令和8年4月1日現在)、イタリアの施行内容は在京イタリア大使館の発表(2026年4月1日)、マルタの経緯はマルタ政府の報道発表(2025年7月16日)にもとづきます。一次情報で確認できない事項は、民間情報であることを明示します。
新しい制度のため、運用は今後変更される可能性が高い分野です。申請の可否・時期・要件は必ず駐日各国大使館の公式情報で確認してください。本記事は法的助言ではありません。

結論:2か国の違いを、先に整理します

マルタイタリア
年間発給枠100名500名
開始2026年1月2026年4月1日施行
年齢18〜30歳満18歳〜満30歳
滞在期間最長1年最大12ヶ月
合意までの経緯約9年の議論口上書交換から約4年
言語環境英語学習先としての実績があるイタリア語が中心

枠の数字が持つ意味

マルタの100名は、日本のワーキング・ホリデー協定国の中で最も少ない部類です。アイスランドの30名、リトアニアの100名、ウルグアイの100名、ラトビアの100名、ルクセンブルクの100名と並びます。

比較のために:韓国と台湾は各10,000名、カナダは6,283名、英国は6,000名、フランスは1,800名、アイルランドは800名です。

つまりマルタは、アイルランドのさらに8分の1です。「英語環境で1年」を求める人にとって、選択肢としての現実性は慎重に考える必要があります。

出典:外務省「ワーキング・ホリデー制度」(令和8年4月1日現在)。32か国・地域の全体像は協定国32ヶ国の記事で扱っています。

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マルタ:なぜ日本と協定を結んだのか

マルタ政府の発表に、理由が書かれています

2025年7月16日のマルタ政府の報道発表によれば、この取り決めは約9年間にわたる議論を経て合意に至りました。同発表では、査証について「free working holiday visas(無償のワーキング・ホリデー査証)」という表現が使われています。

そして注目すべき記述があります。マルタ側は、日本が英語語学研修の分野において、マルタにとってEU域外で3番目に大きい市場であると説明し、語学学校などの事業者を支援する意図を明らかにしています。

つまりこの制度は、語学留学の文脈で設計された面があります。「働くこと」より「学ぶこと」を軸に検討している人には、制度の趣旨と合いやすいと言えます。

出典:マルタ政府 報道発表 PR251294en(2025年7月16日)。なお査証の費用や具体的な申請手続きは、駐日マルタ大使館で必ず確認してください。

「英語が通じる」と「英語圏で働く」は別です
マルタは語学留学先として実績のある国です。ところが、それは学校の中の話です。ワーキング・ホリデーで働く場合、職場でどの言語が使われるか、現地の労働市場がどうなっているかは別の問題です。
そして新設国であるため、日本人の就労事例がほとんど蓄積されていません。「どんな仕事があるか」「時給はどのくらいか」といった情報が、まだ出てきていない段階です。
だから本記事では、現地の賃金や仕事の探しやすさについて数値を書きません。確認できないからです。推測で書けば、それは読者を誤らせます。
やること:渡航を検討するなら、語学学校や現地の情報を扱う事業者に直接、就労事情を問い合わせてください。ただし営業上の説明が含まれる可能性は踏まえてください。
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イタリア:4年待って施行された制度

在京イタリア大使館の発表内容

2026年4月1日、日伊ワーキングホリデー協定が正式に施行されました。同日より、満18歳から満30歳までのイタリア市民および日本市民に対し、最大12ヶ月間の滞在が認められる特別査証の申請が可能になっています。

口上書の交換は2022年5月です。つまり合意から施行まで約4年かかりました。制度は「決まった」と報じられてから実際に使えるまでに、年単位の時間がかかることがあります。

申請の入口が特徴的です。大使館の発表では、査証の申請は居住する領事管轄地域に応じて東京か大阪を選び、専用のプラットフォーム「Prenot@mi」(prenotami.esteri.it)から行うとされています。

つまり予約システムを経由します。窓口へ直接行く形ではありません。出典:在京イタリア大使館「日伊ワーキングホリデー協定の施行について」(2026年4月1日)。

イタリアは非英語圏です。ここを軽く見ないでください
当然のことですが、イタリアでの生活と就労はイタリア語が中心になります。「ヨーロッパだから英語で何とかなる」という前提は危険です。
だから目的を明確にしてください。イタリア語を学びたい、食や文化を深く知りたい、その国で暮らす経験がほしい——これらが目的なら合います。
合わないのは:英語力を伸ばしたい、英語を使う仕事の経験がほしい、帰国後の転職で英語を武器にしたい場合。その目的なら英語圏を選ぶほうが確実です。
英語力を目的にする場合の考え方は語彙の記事英語維持の記事で扱っています。
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枠の少ない国は、他にもあります

年間発給枠制度開始
アイスランド30名2018年
マルタ100名2026年
リトアニア/ウルグアイ/ラトビア/ルクセンブルク各100名2019〜2024年
オーストリア/ハンガリー各200名2016/2017年
チェコ/スロバキア各400名2018/2016年
イタリア500名2026年

枠が少ない国には、共通の性質があります

日本人の渡航者が少ないため、情報も支援体制も蓄積されにくい。これはマルタやイタリアに限った話ではなく、枠が100名台の国すべてに当てはまります。

だから判断の軸は「新設かどうか」より「日本人がどれだけ行っているか」です。2018年開始のアイスランドでも、枠が30名である以上、情報量は限られます。

逆に言えば、枠の大きい国は情報が多い。韓国と台湾は各10,000名、カナダは6,283名、英国は6,000名です。確実性と情報量を重視するなら、この差は判断材料になります。

出典:外務省「ワーキング・ホリデー制度」(令和8年4月1日現在)。

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新設国に共通するリスク

情報がないこと自体が、リスクです

⑤は特に注意してください。実際、マルタについては「定員は未発表」と記載している民間サイトが複数ある一方、外務省の資料には100名と明記されています。情報の更新が追いついていない状態です。
だから一次情報を自分で確認する習慣が、通常以上に重要になります。大使館の公式ページと外務省の資料。この2つを見てください。
外務省が代行業者について注意喚起しています
外務省は、査証の申請代行をうたう業者による書類の不適正処理に関するトラブルが報じられているとして、代行業者を通じて申請する場合でも書類の準備を業者に任せきりにせず、政府機関や大使館が発信している情報を自身で確認するよう促しています。
新設国では、この注意はさらに重みを持ちます。業者側にも運用の実績がないため、案内が最新でない可能性があるからです。
自己手配の考え方は自己手配の記事で扱っています。
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どちらが誰に向くか

目的マルタイタリア
英語を学びたい制度の趣旨と合いやすい合いにくい
イタリア語・文化合う
確実に行きたい枠100名。慎重に枠500名
情報の多さを重視どちらも少ないどちらも少ない
働いて稼ぎたい就労事情の情報が不足。慎重な判断を

共通して言えること

この2か国は「情報が少ないことを受け入れられる人」向けです。自分で調べ、大使館に問い合わせ、想定外に対応する余地を持って動ける人。

逆に、確実性を重視するなら実績のある国のほうが安全です。カナダ、オーストラリア、ニュージーランドには蓄積された情報があり、日本人向けの支援も存在します。これは優劣ではなく、性質の違いです。

国ごとの比較は協定国32ヶ国の記事、費用は費用の記事で扱っています。

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運営者の視点:情報がない国に、先に行く価値はあります

ただし、それは「情報を作る側になる」ということです

運営者はマルタにもイタリアにも行っていません。だから現地のことは語れません。語れるのは、情報がない場所へ行くとはどういうことか、という一般論だけです。

運営者がカナダへ行った時点で、バンクーバーの情報は大量にありました。家の探し方も、仕事の見つけ方も、先に行った人が書いていた。おかげで失敗が減った一方、体験のほとんどが「誰かがすでに書いたこと」でした。

枠100名の国は違います。行った人がほとんどいないので、調べても答えが出てきません。これは負担です。ところが同時に、あなたの記録が価値を持つということでもあります。

実際、運営者がこのサイトで手応えを感じるのは、誰も書いていない具体的な数字を出したときです。需要はあるのに、書ける人がいない。そこに空白があります。

だから、こう提案します。新設国へ行くなら、行く前から記録を取ってください。申請にかかった日数、必要だった書類、想定と違ったこと。それは帰国後、あなたにしか語れない経験になります。この考え方はWebマーケの記事でも扱いました。

ただし——記録が価値になるのは、無事に帰ってこられた場合だけです。情報がないぶん、資金と保険と帰国手段は、実績のある国へ行く以上に厚く用意してください。

年齢の上限がある制度は、1年待つと選択肢そのものが消えます。だから「行けるかどうか」より「いつまでに決めるか」が先に来ます。

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よくある失敗

失敗①:民間サイトの「定員未発表」を信じる

マルタは外務省の資料に100名と明記されています。一次情報を確認してください。

失敗②:マルタを「英語圏の穴場」と考える

枠は100名です。アイルランドのさらに8分の1で、確実性は低いと考えるべきです。

失敗③:イタリアで英語力を伸ばそうとする

生活も就労もイタリア語が中心です。英語が目的なら英語圏を選んでください。

失敗④:就労事情を推測で判断する

日本人の事例が蓄積されていません。賃金や仕事の探しやすさは、確認できるまで前提にしないでください。

失敗⑤:代行業者に任せきりにする

新設国では業者側にも実績がありません。大使館の公式情報を自分で確認してください。

失敗⑥:実績国と同じ厚さの準備で行く

情報が少ないぶん想定外が増えます。資金・保険・帰国手段を厚めに用意してください。

今日からできる3つのこと

2026年、選択肢が2つ増えました。ただし枠は合わせて600名です。そして情報はまだほとんどありません。

だから、この2か国は「調べる力がある人」向けの選択肢だと考えています。一次情報を自分で確認でき、想定外に対応できるなら、誰も書いていない経験を持ち帰れます。

本記事の発給枠・年齢要件は外務省「ワーキング・ホリデー制度」(令和8年4月1日現在)、イタリアの施行内容は在京イタリア大使館の発表(2026年4月1日)、マルタの経緯および語学研修市場に関する記述はマルタ政府 報道発表 PR251294en(2025年7月16日)にもとづきます。両国とも制度が新設されたばかりであり、申請方法・必要書類・運用は今後変更される可能性が高い分野です。現地の賃金・就労事情については確認できる情報がないため記載していません。申請にあたっては必ず駐日マルタ大使館・在京イタリア大使館の公式情報を確認してください。本記事は法的助言ではありません。運営者は両国に渡航しておらず、現地の生活に関する体験談は含んでいません。

よくある質問

マルタのワーホリの定員は何名ですか?

外務省の資料では年間発給枠は100名です(令和8年4月1日現在)。ここは注意が必要な点で、民間の情報サイトの多くが「定員はまだ公式に発表されていない」と記載していますが、外務省の資料には100名と明記されています。情報の更新が追いついていない状態です。100名は日本の協定国の中で最も少ない部類で、アイスランドの30名、リトアニア・ウルグアイ・ラトビア・ルクセンブルクの各100名と並びます。アイルランドの800名と比べてもさらに8分の1にあたるため、英語環境を求める選択肢としての現実性は慎重に考える必要があります。

イタリアのワーホリはいつから申請できますか?

在京イタリア大使館の発表によれば、日伊ワーキングホリデー協定は2026年4月1日に正式に施行され、同日より満18歳から満30歳までの日本市民が最大12ヶ月間の滞在を認められる特別査証を申請できるようになりました。年間発給枠は外務省の資料で500名です。なお申請は、居住する領事管轄地域に応じて東京か大阪を選び、専用のプラットフォーム「Prenot@mi」から行うとされています。窓口へ直接行く形ではなく予約システムを経由するため、事前に手順を確認してください。

マルタはなぜ日本と協定を結んだのですか?

マルタ政府の報道発表(2025年7月16日)によれば、この取り決めは約9年間にわたる議論を経て合意に至りました。同発表でマルタ側は、日本が英語語学研修の分野においてマルタにとってEU域外で3番目に大きい市場であると説明し、語学学校などの事業者を支援する意図を明らかにしています。つまりこの制度は語学留学の文脈で設計された面があり、「働くこと」より「学ぶこと」を軸に検討している人には制度の趣旨と合いやすいと言えます。

マルタなら英語環境で働けますか?

そう単純には言えません。マルタは語学留学先として実績のある国ですが、それは学校の中の話です。ワーキング・ホリデーで働く場合、職場でどの言語が使われるか、現地の労働市場がどうなっているかは別の問題になります。しかも新設国であるため日本人の就労事例がほとんど蓄積されておらず、どんな仕事があるか、時給はどのくらいかといった情報がまだ出てきていない段階です。本記事では確認できないため現地の賃金や仕事の探しやすさについて数値を書いていません。

新しくできた制度を使うリスクは何ですか?

情報がないこと自体がリスクです。先に行った人の体験談が存在せず、申請方法や必要書類などの運用が固まっていないため変更される可能性があり、トラブル時に参照できる前例も少ない。現地の受け入れ体制が未成熟な場合もあります。そしてネット上の情報が推測を含みやすい時期でもあります。実際マルタについては「定員未発表」と記載する民間サイトが複数ある一方、外務省の資料には100名と明記されています。大使館の公式ページと外務省の資料、この2つを自分で確認する習慣が通常以上に重要になります。

イタリアで英語力を伸ばせますか?

目的が英語なら、英語圏を選ぶほうが確実です。イタリアでの生活と就労はイタリア語が中心になるため、「ヨーロッパだから英語で何とかなる」という前提は危険です。イタリア語を学びたい、食や文化を深く知りたい、その国で暮らす経験がほしいという目的なら合いますが、英語力を伸ばしたい、英語を使う仕事の経験がほしい、帰国後の転職で英語を武器にしたいという目的には合いません。

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