在外選挙人名簿の登録|転出予定日で閉じる、出国時申請の窓

在外選挙の申請|転出届と同時にしか出せない手続きのやり方

役所で海外転出届を出すとき、同じ窓口ではもうひとつ申請できるものがあります。

在外選挙人名簿への登録(出国時申請)です。外務省によれば、この申請ができる期間は「転出届を提出した日から、転出届に記載された転出予定日までの間」とされています。

つまり転出届を出して帰ってしまうと、この窓は転出予定日で閉じます。実務上は、転出届と同時に済ませるのがもっとも確実です。

もちろん、出国後に在外公館で申請する道もあります。ただしそちらには「3か月以上継続して住んでいること」という条件がつきます。

この記事では、制度の手続きを外務省の資料から整理します。投票するかどうかは各自の判断です。ここで扱うのは、選択肢を残すための手続きだけです。

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2つのルートがあります

出国時申請在外公館申請
どこで転出届を出した市区町村の選挙管理委員会住所地を管轄する大使館・総領事館など
いつ転出届の提出日〜転出予定日出国後、住所を定めてから
条件最終住所地に3か月以上居住していること管轄区域内に3か月以上継続して住所を有すること

まず前提として

外務省は、制度をこう説明しています。「海外に住んでいる人が、外国にいながら国政選挙に投票できる制度を『在外選挙制度』といい、これによる投票を『在外投票』といいます。在外投票ができるのは、日本国籍を持つ18歳以上の有権者で、在外選挙人名簿に登録され、在外選挙人証を持っている人です」。

2つの条件があります。名簿への登録と、在外選挙人証の保有です。どちらも自動では行われません。申請が必要です。

そして申請のルートが2つあります。出国前に市区町村で行う「出国時申請」と、出国後に在外公館で行う「在外公館申請」です。

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出国時申請:窓が開いている期間が限られています

「転出届を出した日から、転出予定日まで」
外務省は、出国時申請についてこう記載しています。「対象者は、満18歳以上の日本国民で、国内の最終住所地の市区町村の選挙人名簿に登録されている者です。申請できる期間は転出届を提出した日から転出届に記載された転出予定日までの間です。申請先は、転出届を提出した市区町村の選挙管理委員会です」。
ここが実務上いちばん重要な部分です。
申請の窓は、転出届を出した瞬間に開き、転出予定日で閉じます。転出届を出してから何か月も後に申請することはできません。
そして多くの人は、転出届を出したあと、渡航準備に追われます。もう一度役所に行く余裕があるとは限りません。だから「転出届と同じ日に、同じ庁舎で済ませる」が現実的な進め方になります。
窓口も確認しておいてください。転出届は住民課などですが、在外選挙の申請先は選挙管理委員会です。同じ庁舎内でも、窓口が別になります。転出届を出すときに「在外選挙人名簿の登録も申請したい」と伝えれば、案内してもらえます。

もうひとつの条件:3か月の居住

外務省は注記でこう示しています。「在外選挙人名簿への登録を申請できるのは、国内の最終住所地の市区町村の選挙人名簿に登録されている(転出予定日までに当該最終住所地に3か月以上居住している)方です」。

引っ越した直後に海外へ出る場合、この条件を満たさない可能性があります。たとえば実家を出て別の市区町村に住み始めて2か月で渡航する、というケースです。

渡航前に引っ越しを予定しているなら、この3か月は計算に入れておく価値があります。

必要なものも示されています。本人が申請する場合は本人確認書類(旅券・マイナンバーカード・運転免許証・官公庁の身分証など)代理での申請も可能で、その場合は申請者の本人確認書類、申請者の申出書、申請に来ている人の本人確認書類が必要とされています。

本人が行けない場合の道が用意されているということです。

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在留届を出さないと、登録が完了しません

ここで手続きが止まりがちです
出国時申請には続きがあります。外務省はSTEP2として「在留届を提出する」ことを挙げ、こう記載しています。
「在留届で国外の住所を確認して名簿に登録しますので忘れずに提出してください」。
つまり市区町村で申請しただけでは、登録は完了しません。現地の住所が在留届で確認されて、はじめて名簿に登録される仕組みです。
そして在留届はオンラインで提出できます。外務省はオンライン在留届(ORRネット)を案内しています。
提出できる時期も示されています。「日本から海外に転出される方は、現地到着の90日前から在留届が提出できます」。
ただし在留届には現地の住所を書く必要があるため、住所が決まってからになります。渡航直後にシェアハウスを探す予定なら、住所が固まった時点で提出する流れになります。
STEP3として、登録が完了すると在外選挙人証が交付されます。外務省は「在外公館から連絡があるので、最寄りの在外公館で、または郵送で、在外選挙人証を受け取ることになります」としています。
受け取りにも在外公館が関わるということです。連絡を受け取れる状態にしておく必要があります。
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出国後に申請する場合:3か月がかかります

在外公館申請の条件

出国時申請をしなかった場合でも、道は残っています。外務省は「国内の最終住所地の市区町村にて転出届を提出した上で、『出国時申請』を行っていない場合『在外公館申請』が可能となります」としています。

ただし条件が違います。「対象者は、満18歳以上の日本国民で、引き続き3か月以上その者の住所を管轄する領事官の管轄区域内に住所を有する者です」。

そして重要な補足があります。「登録されるためには、その在外公館の管轄区域内に3か月以上継続して住んでいる必要がありますが、登録の申請は、住所を定めていれば3か月経っていなくても行うことができます」。

申請は早くできるが、登録は3か月経ってから。この時間差が実務上の意味を持ちます。

1年のワーキングホリデーで考えてみます。渡航して住所を定め、すぐ申請したとしても、登録されるのは3か月後です。その後に選挙人証が交付されます。滞在の前半が過ぎている計算になります。

さらに、途中で別の街や別の国へ移る予定があるなら、「3か月以上継続して同じ管轄区域に住む」という条件が効いてきます。数か月ごとに移動する働き方では、条件を満たしにくくなる可能性があります。

この点でも、出国時申請のほうが早く確実だということになります。

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投票の方法は3つあります

登録できたあとの話

外務省は、在外投票の方法として3つを挙げています。 3つ目に注目してください。帰国したばかりで国内の名簿に登録されていない時期でも、在外選挙人証があれば国内で投票できるという設計です。
帰国直後は、住民票を戻しても選挙人名簿への登録には時間がかかります。その空白を埋める仕組みがあるということです。
本記事では、各投票方法の具体的な手順、必要書類、締切、投票用紙の請求方法については扱っておらず、判断も示していません。選挙のたびに日程が異なります。投票を検討する時点で、外務省・総務省および管轄の在外公館の案内をご確認ください。 あわせて読みたいワーホリ年齢別の戦略|20代前半・後半・30代の動き方ワーホリ年齢別完全ガイド2026年版。18-22歳・23-26歳・27-29歳・30-31歳・32-35歳の各世代別に「

住民票を残す選択をした場合

そもそも転出届を出さないなら

この記事で扱ってきた出国時申請は、「国外への転出届を提出する場合」の手続きです。

海外転出届を出すかどうかは、住民税・健康保険・年金の扱いを連鎖的に変える判断です。1年程度のワーキングホリデーでは、出す人と出さない人の両方がいます。

住民票を日本に残したまま渡航する場合、国内の選挙人名簿には登録されたままになります。ただし実際に投票できるかどうかは、選挙当日に日本にいるかどうか、不在者投票の手続きが取れるかどうかによって変わります。

本記事では、住民票を残したまま海外に滞在する場合の投票方法については扱っていません。この点は住民登録のある市区町村の選挙管理委員会にご確認ください。

整理すると、判断の順序はこうなります。まず転出届を出すかどうかを決める。出すなら、その場で在外選挙の申請も検討する。後から戻ってやり直すことが難しい手続きだからです。

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帰国したあとの扱い

在外選挙人証は、いつまで有効か

帰国して住民票を戻すと、国内の選挙人名簿への登録が進みます。ただし前述のとおり、登録されるまでには時間がかかるため、その間は在外選挙人証を使って国内で投票する道が用意されています。

本記事では、帰国後に在外選挙人名簿から抹消される時期、在外選挙人証の返納の要否、国内の選挙人名簿に登録されるまでの期間については確認しておらず、扱いません。帰国後の手続きは、住民登録をする市区町村の選挙管理委員会にご確認ください。

帰国後にやるべきことの全体像はこちらの記事で扱っています。転入届を起点に、健康保険・年金・住民税の手続きが連鎖します。

役所に行く前に、確認する3つ

在外選挙人名簿への登録は、自動では行われません。申請が必要で、しかも出国時申請の窓は「転出届の提出日から転出予定日まで」という限られた期間です。

出国後に在外公館で申請する道もありますが、登録には「3か月以上継続して住んでいること」が必要です。1年の滞在では、前半が過ぎてからの登録になります。

投票するかどうかは、それぞれの判断です。ですが選択肢を持っておくかどうかは、役所に行く1日で決まります。

そしてこの手続きは、あとから取り戻すのが難しい種類のものです。転出届を出すと決めたなら、同じ日に検討する価値があります。

この記事について:出典は外務省「在外選挙制度とは」「在外選挙人名簿登録申請の流れ 出国時申請」「在外選挙人名簿登録申請の流れ 在外公館申請」「投票方法」および総務省「在外選挙制度について」です(いずれも2026年8月時点で確認)。
本記事は制度上の手続きを整理したものであり、投票行動を推奨または誘導するものではありません。特定の政党・候補者・政治的立場に言及するものでもありません。
本記事では、各投票方法の具体的な手順・必要書類・締切、投票用紙の請求方法、住民票を日本に残したまま海外に滞在する場合の投票方法、帰国後に在外選挙人名簿から抹消される時期、在外選挙人証の返納の要否、国民投票および最高裁判所裁判官国民審査の取り扱いについては扱っておらず、判断も示していません。
制度・手続き・期限は変更されます。また選挙のたびに日程と締切が異なります。実際に申請・投票される際は、必ず外務省・総務省、住民登録のある市区町村の選挙管理委員会、および管轄の在外公館の最新の案内をご確認ください。個別の該当可否については各窓口にお問い合わせください。本記事は法的助言ではありません。

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現地生活の手続きは、窓口で口頭のやり取りが発生します。制度を理解していても、その場で質問できないと同じ結果になります。そして連絡手段がないと、そもそも予約が取れません。

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よくある質問

ワーホリで海外に行くと選挙に投票できなくなりますか?

在外選挙制度があり、在外選挙人名簿に登録され在外選挙人証を持っていれば、外国にいながら国政選挙に投票できるとされています。対象は日本国籍を持つ18歳以上の有権者です。ただし登録は自動では行われず、申請が必要です。申請には2つのルートがあり、出国前に市区町村の窓口で行う「出国時申請」と、出国後に在外公館で行う「在外公館申請」があります。出国時申請の場合、申請できる期間は転出届を提出した日から転出届に記載された転出予定日までの間とされているため、転出届と同じタイミングで手続きするのが実務的です。

出国時申請はいつまでにすればいいですか?

外務省は「申請できる期間は転出届を提出した日から転出届に記載された転出予定日までの間です」としています。つまり申請の窓は転出届を出した時点で開き、転出予定日で閉じます。転出届を出してから何か月も後に申請することはできません。また申請先は転出届を提出した市区町村の選挙管理委員会であり、転出届の窓口(住民課など)とは別になります。同じ庁舎内でも窓口が異なるため、転出届を出す際に「在外選挙人名簿の登録も申請したい」と伝えて案内を受けるのが確実です。なお最終住所地に3か月以上居住していることも条件とされています。

市区町村で申請すれば登録は完了しますか?

完了しません。外務省は出国時申請のSTEP2として在留届の提出を挙げ、「在留届で国外の住所を確認して名簿に登録しますので忘れずに提出してください」としています。つまり現地の住所が在留届で確認されて、はじめて名簿に登録される仕組みです。在留届はオンライン(ORRネット)で提出でき、「日本から海外に転出される方は、現地到着の90日前から在留届が提出できます」とされています。ただし現地の住所を記入する必要があるため、住所が決まってからの提出になります。登録が完了すると在外選挙人証が交付され、在外公館から連絡があり、最寄りの在外公館または郵送で受け取ることになります。

出国前に申請しそびれた場合はどうなりますか?

在外公館申請という道があります。外務省は「国内の最終住所地の市区町村にて転出届を提出した上で、出国時申請を行っていない場合、在外公館申請が可能となります」としています。ただし条件が異なり、「引き続き3か月以上その者の住所を管轄する領事官の管轄区域内に住所を有する者」が対象です。補足として「登録されるためには3か月以上継続して住んでいる必要がありますが、登録の申請は住所を定めていれば3か月経っていなくても行うことができます」とも示されています。つまり申請は早くできますが、登録は3か月後になります。1年の滞在では滞在の前半が過ぎてからの登録になる計算です。

投票はどうやってするのですか?

外務省は3つの方法を挙げています。在外公館で行う「在外公館投票」、郵便等によって行う「郵便等投票」、そして「日本国内における投票」です。3つ目は、選挙の際に一時帰国した人や、帰国後間もないため国内の選挙人名簿にまだ登録されていない人が行う方法とされています。帰国直後は住民票を戻しても選挙人名簿への登録に時間がかかるため、その空白を埋める仕組みがあるということです。なお各方法の具体的な手順、必要書類、締切、投票用紙の請求方法については本記事では扱っていません。選挙のたびに日程が異なるため、外務省・総務省および管轄の在外公館の案内をご確認ください。

住民票を残したまま渡航する場合はどうなりますか?

本記事で扱った出国時申請は「国外への転出届を提出する場合」の手続きです。住民票を日本に残したまま渡航する場合、国内の選挙人名簿には登録されたままになりますが、実際に投票できるかどうかは選挙当日に日本にいるかどうか、不在者投票の手続きが取れるかどうかによって変わります。この点について本記事では扱っていないため、住民登録のある市区町村の選挙管理委員会にご確認ください。なお海外転出届を出すかどうかは、住民税・健康保険・年金の扱いを連鎖的に変える判断です。まず転出届を出すかを決め、出すならその場で在外選挙の申請も検討する、という順序になります。

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本記事の制度・条件・金額は執筆時点で公開情報を確認したものです(確認日:2026年8月8日)。制度や料金は変更される場合があるため、実際の手続き・申請の前に各機関の公式情報を必ずご確認ください。本記事は法的・専門的な助言ではなく、特定の結果を保証するものではありません。