「みんな、どのくらいの英語力でワーホリに行くんだろう」——これを調べようとして、まず分かったことがあります。
ワーキングホリデー渡航者の英語力を測った公的な統計は、見つけられませんでした。
SNSの体感や、語学学校・エージェントが示す数字はあります。ですが「日本から行く人全体」を対象にした調査は確認できていません。
そこで、確認できる数字に切り替えます。文部科学省が全国の公立中学校・高等学校を対象に毎年行っている「英語教育実施状況調査」です。令和6年度の結果では、高校3年生でCEFR A2レベル相当以上(英検準2級相当)に達しているのは51.6%。
そしてこの51.6%のうち、実際に外部試験のスコアを取得しているのは31.8%です。残りは教師の判断によるものです。この記事では、その数字の読み方を整理します。
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先に、数字を並べます
| 到達している割合 (令和6年度) | うち、実際にスコアを 取得している割合 | |
|---|---|---|
| 中学3年生 CEFR A1以上(英検3級相当) | 52.4% | 本記事では確認していません |
| 高校3年生 CEFR A2以上(英検準2級相当) | 51.6% | 31.8% |
| 高校3年生 CEFR B1以上(英検2級相当) | 21.2% | 14.6% |
調査対象は全国の公立中学校9,130校、高等学校3,241校。調査実施基準日は令和6年12月1日とされています。
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文部科学省の調査は、生徒の英語力を2つに分けて集計しています。
- CEFR A2レベル相当以上を「取得している」生徒——実際に英検などの級・スコアを持っている
- CEFR A2レベル相当以上の英語力を「有すると思われる」生徒——スコアは持っていないが、相当する英語力があると英語担当教師が判断した
教師が判断する際の根拠も示されています。「2技能又は3技能を測る試験におけるスコア47.4%」「CAN-DOリストに基づく自校でのパフォーマンステストの結果45.0%」「公式な記録としては認定されない試験のスコア16.1%」など(複数回答可)。
つまり「英検準2級を持っている高3」は31.8%です。この区別を知らずに51.6%だけを見ると、実感とずれます。
学科によって、3倍近い差があります
「高校生の平均」は、あまり意味を持ちません
同じ調査の学科別の数字を並べます(令和6年度、CEFR A2レベル相当以上)。- 普通科:64.7%
- 英語教育を主とする学科および国際関係に関する学科:95.3%
- その他の専門学科および総合学科:22.5%
B1レベル相当以上(英検2級相当)で見ると、差はさらに開きます。普通科24.3%、英語関係学科70.7%、専門学科・総合学科7.0%。
この幅を見ると、「高校生の平均は51.6%」という一文がどれだけ大まかな話かが分かります。自分がどの学科にいたかで、周囲の状況はまったく違っていたはずです。
都道府県でも差があります。高校生のA2以上の割合は、全国平均51.6%に対して、最も高い自治体で61.2%、最も低い自治体で42.4%。政府目標である「各都道府県で5割以上」を達成したのは47自治体のうち21自治体とされています。 あわせて読みたいおすすめ英語コーチング ライザップ|短期集中の使い方と選び方週2回50分のマンツーマンと毎日の課題管理。英会話コース16回は入会金込み492,800円。トレーナーは全員日本語ネイテ
CEFRのレベルは、何を意味するのか
対応する英検の級
文部科学省の資料では、CEFRのレベルと英検の級の対応が次のように示されています。- CEFR A1——英検3級相当
- CEFR A2——英検準2級相当
- CEFR B1——英検2級相当
- CEFR B2——英検準1級相当
- CEFR C1——英検1級相当
本記事では、CEFRとTOEIC・IELTSのスコア対応については扱っておらず、判断も示していません。試験ごとに測る技能の構成が異なるためです。どの試験を受けるかの選び方は別記事で扱っています。 あわせて読みたい英語の語彙の増やし方|知らない単語は「聞こえない」という話渡航して英語が伸びない人の多くは、文法でも発音でもなく語彙で止まっています。知らない単語は音として聞こえていても認識でき
この数字を、渡航の判断にどう使うか
ここまでの数字を見て「自分は平均以上だ」あるいは「以下だ」と結論づけても、渡航の判断材料にはなりません。理由は3つあります。
①この調査はワーホリ渡航者を対象にしていません。全国の公立中高の在校生が対象です。渡航する人の英語力の分布は、これとは違う可能性があります。そして、その分布を測った統計を本記事では確認できていません。
②高校卒業から渡航までに時間が空いています。多くの人にとって、高3のときの英語力と渡航時の英語力は別物です。使っていなければ落ちますし、勉強すれば上がります。
③現地で必要になるのは、試験のスコアが測っていない部分です。聞き取って即座に返す力、聞き返す力、分からないと言う力。これらは級やスコアには表れにくい領域です。
だから「みんなはどのくらいか」を知っても、自分がやることは変わりません。変わるのは気持ちの部分だけです。
それでも、この数字に意味がある理由
「周りはもっとできるのではないか」という不安に、輪郭を与えられます。
高校3年生の時点で、英検2級相当以上を実際に取得しているのは14.6%です。そして準2級相当以上でも31.8%。7割近くは、外部試験のスコアを持たないまま高校を卒業しています。
これは「だから勉強しなくていい」という話ではありません。ただ「自分だけが遅れている」という前提は、統計とは合っていないということです。
そして語学学校のクラス分けは、入学時のテストで決まります。過去のスコアではありません。語学学校の選び方で扱ったとおり、レベル分けの細かさは学校によって違います。入るときの英語力より、入ってからどのクラスに置かれるかのほうが実務的な影響が大きくなります。
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「話すこと」に使われている時間
ここが渡航後に効いてきます
同じ調査には、授業での言語活動の内訳も出ています。「話すこと」の割合の平均は、全科目合計で3割程度とされています。
内訳の平均値(10点満点での配分)はこうなっています。聞くこと1.91、読むこと2.77、話すこと[やり取り]1.69、話すこと[発表]1.36、書くこと2.28。
「読むこと」が最も多く、「話すこと[発表]」が最も少ない構成です。
そして「話すこと」のパフォーマンステストの実施回数は、令和6年度の平均で3.2回とされています(書くことは2.2回)。1年間の回数です。
渡航してから「読めるのに話せない」と感じる人が多いのは、この配分を見ると自然な結果です。教育課程の問題というより、測っている能力と現地で必要な能力が違うという話になります。
本記事では、この配分の是非については判断を示しません。ただ「自分の英語が話せないのは能力の問題ではなく、話す時間が少なかったからかもしれない」という見方は、統計と整合します。
あわせて読みたいTOEIC600→800の壁|500点台から780まで積む勉強法TOEIC600点から800点への壁を越える方法。運営者は渡航前500点台から帰国後780点まで伸ばしました。結論は「現自分の現在地を測るなら
順番があります
「みんなの平均」より役に立つのは、自分の現在地です。そして測る順番があります。- ①読む・聞くのレベルを把握する——過去に受けた試験のスコアがあれば、それが起点になります
- ②話す機会を作って、詰まる場所を特定する——単語が出ないのか、文の組み立てが遅いのか、聞き取れないのか。詰まり方によって対策が変わります
- ③渡航までの期間から逆算する——3か月と1年では、やるべきことが違います
英語学習の進め方は社会人の英語やり直しとワーホリ中の英語学習法で扱っています。
調べる前に、押さえる3つ
- ①「51.6%」の内訳を見る:実際にスコアを取得しているのは31.8%で、残りは教師の判断です
- ②平均より学科差のほうが大きい:普通科64.7%に対し、専門学科・総合学科は22.5%です
- ③この調査は渡航者を対象にしていない:ワーホリ渡航者の英語力の統計は、本記事では確認できていません
「みんなはどのくらいの英語力で行くのか」という問いに、正確に答えられる統計は見つかりませんでした。これが調べた結果です。
代わりに分かるのは、日本の高校3年生の到達状況です。CEFR A2レベル相当以上が51.6%、B1レベル相当以上が21.2%。実際にスコアを取得しているのは、それぞれ31.8%と14.6%です。
そして学科によって3倍近い差があります。「高校生の平均」という一文は、その幅を覆い隠しています。
結局、比べる相手は他人ではなく渡航日の自分になります。統計が教えてくれるのは「自分だけが遅れているわけではない」ということまでです。そこから先は、話す機会を作って詰まる場所を特定する作業になります。
この記事について:運営者は渡航前のTOEICが500点台、帰国後に780点でした。高校時代は英語が赤点(20点台)だった時期があります。ただし本記事の統計に関する記述は、個人の経験ではなく文部科学省の公表資料をもとに整理したものです。
出典は、文部科学省「令和6年度『英語教育実施状況調査』の結果について」および同調査の概要資料です(2026年8月17日に確認)。調査対象は全国の公立中学校9,130校、高等学校3,241校、調査実施基準日は令和6年12月1日とされています。
本記事では、ワーキングホリデー渡航者・語学留学者の英語力に関する統計、CEFRとTOEIC・IELTSのスコア対応、語学学校のクラス分けとCEFRの対応関係、私立学校の状況、大学生・社会人の英語力については扱っておらず、判断も示していません。とくにワーホリ渡航者を対象とした公的な統計は、執筆時点で確認できませんでした。本記事の数字を渡航者の分布として読み替えることはできません。
また「CEFR相当以上」の集計には、外部試験のスコアを取得している生徒に加えて、英語担当教師が相当する英語力を有すると判断した生徒が含まれます。本文に内訳を示したとおりです。
調査結果は毎年更新されます。最新の数値は文部科学省の公表資料でご確認ください。本記事は特定の学習法や英語力の到達を保証するものではありません。
英語の準備でよくある失敗は、読む・解くだけをやることです。選考や現地で必要になるのは、聞き取って即座に返す力。この2つは別の能力です。
② 話す回数を積む|ネイティブキャンプ
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英語スコアは、行き先の種類で位置づけが変わります
外務省が挙げるワーホリ査証の発給要件に、英語スコアの項目はありません。語学学校も多くは入学時テストでクラス分け。スコアが入口になるのは進学と就労ビザ・永住です。
家族の反対で止まっている場合
外務省はワーホリ渡航者について「事件・事故に遭うケースが大変増えています」と記載しています。だから「大丈夫」と否定から入っても話は進みません。家族に反対されたときの話し方で、公表資料をもとに何を材料にできるかを整理しました。
よくある質問
ワーホリに行く人の平均的な英語力はどのくらいですか?
ワーキングホリデー渡航者の英語力を測った公的な統計は、本記事の執筆時点では確認できませんでした。参考になる数字として、文部科学省の令和6年度「英語教育実施状況調査」では、高校3年生でCEFR A2レベル相当以上(英検準2級相当)に達している割合が51.6%、CEFR B1レベル相当以上(英検2級相当)が21.2%とされています。ただしこの調査は全国の公立中高の在校生が対象で、渡航者の分布を示すものではありません。
51.6%というのは、実際に英検準2級を持っている割合ですか?
いいえ。文部科学省の集計は「実際に級・スコアを取得している生徒」と「相当する英語力を有すると英語担当教師が判断した生徒」の合計です。令和6年度の高校3年生では、CEFR A2レベル相当以上を実際に取得しているのは31.8%、教師の判断によるものが19.8%で、合計51.6%となっています。CEFR B1レベル相当以上では取得14.6%+判断6.6%=21.2%です。
学科による差はありますか?
大きな差があります。令和6年度のCEFR A2レベル相当以上の割合は、普通科64.7%、英語教育を主とする学科および国際関係に関する学科95.3%、その他の専門学科および総合学科22.5%とされています。B1レベル相当以上では、それぞれ24.3%、70.7%、7.0%です。普通科と専門学科・総合学科では3倍近い開きがあります。
CEFRのレベルは英検の何級にあたりますか?
文部科学省の資料では、CEFR A1が英検3級相当、A2が英検準2級相当、B1が英検2級相当、B2が英検準1級相当、C1が英検1級相当と示されています。なお本記事では、CEFRとTOEIC・IELTSのスコア対応については扱っていません。試験ごとに測る技能の構成が異なるためです。
英語が話せないのは自分だけでしょうか?
同じ調査では、授業における言語活動のうち「話すこと」の割合は全科目合計で3割程度とされています。10点満点での配分の平均は、聞くこと1.91、読むこと2.77、話すこと[やり取り]1.69、話すこと[発表]1.36、書くこと2.28です。また「話すこと」のパフォーマンステストの実施回数は年平均3.2回とされています。読むことに最も時間が割かれている構成なので、「読めるのに話せない」と感じるのは配分から見て自然な結果と言えます。
渡航前にどのくらいの英語力があればよいですか?
本記事では必要な水準の判断を示しません。国や滞在形態によって求められる要件が異なり、また現地で必要になる能力は試験のスコアが測っている範囲とは重なりきらないためです。ビザの英語要件については各国の公式情報を、語学学校のクラス分けについては入学時のテストで決まる点をご確認ください。
帰国後のキャリアを、数字で設計する
運営者は渡航前年収450万円から、帰国後に大手メーカーへ転職して800万円台になりました。使ったエージェントと3社並行の進め方をまとめています。
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本記事の制度・条件・金額は執筆時点で公開情報を確認したものです(確認日:2026年8月16日)。制度や料金は変更される場合があるため、実際の手続き・申請の前に各機関の公式情報を必ずご確認ください。本記事は法的・専門的な助言ではなく、特定の結果を保証するものではありません。