ワーホリの敷金・デポジット4か国比較|カナダBCは2倍、英国は最大3倍

海外の敷金は戻るか|英語圏4か国の預け先と請求のしかた

「敷金が戻ってこなかった」——ワーホリや留学の体験談で、繰り返し出てくる話です。

ですが、公的資料を4か国分並べてみると、見えてくるものがあります。どの国にも、返ってこない場合の制度が用意されています。そしてその設計が、国ごとにまったく違います。

お金を誰が持つのか。カナダBC州では大家が持ちます。オーストラリアNSW州では州の機関が持ちます。英国では政府が承認した民間スキームが持ちます。

返さなかった場合の倍率も違います。BC州は2倍、英国は最大3倍

この記事は、4か国の制度を1枚の表にして、違いがどこにあるかを整理したものです。渡航先が決まっているなら、その1つだけを読めば足ります。

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まず、4つを並べます

お金を持つのは返さない場合
カナダBC州大家(上限:家賃の半額)2倍の支払いを命じられ得る
英国(イングランド・ウェールズ)政府承認の民間スキーム3つ最大3倍+退去しなくてよくなる可能性
豪州NSW州州機関(NSW Fair Trading)審判所へ(支払い後6か月以内も可)
ニュージーランド契約の当事者かどうかで変わる

この表の読み方

いちばん大きな違いは、左の列です。お金を誰が持つか。

大家が持つ(BC州)なら、返還は大家の行動にかかります。だから期限と罰則で縛る設計になります。

第三者が持つ(英国・NSW州)なら、大家が消えても、お金は残っています。だから預けなかったこと自体が問題になる設計です。

どちらが優れているという話ではありません。ただ、あなたが取るべき行動が変わります。

BC州なら「転送先住所を書面で伝える」ことが起点になります。NSW州なら「自分から返還請求する」ことができます。英国なら「30日以内にどのスキームか知らされたか」を確認します。

以下、順に見ていきます。

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カナダBC州:15日と、2倍

上限は「初月家賃の半額」です

BC州住宅賃貸局(Residential Tenancy Branch)は、こう記載しています。「デポジットの額は、初月家賃の半額を超えることはできません」。具体例も示されています。「月額家賃$1,500でテナンシーを開始する場合、大家はセキュリティデポジットとして$750を超える額を請求できません」。

そして見落とされやすい注記があります。「デポジットの額は、当初のテナンシー契約時の家賃によって決まります。後に家賃が変わっても、当初のデポジット額は変わりません」。家賃が上がったから追加で、という請求は想定されていません。

ペットデポジットも同じ上限です。「デポジットの額は、許可されるペットの数にかかわらず、初月家賃の半額を超えることはできません」。両方を請求される場合、合計で1か月分の家賃が上限になります。

そして盲導犬・介助犬は例外です。「盲導犬および介助犬はペットとみなされず、賃貸ユニットに住むことが認められています。大家は、認定された盲導犬・介助犬を持つテナントにペットデポジットを請求できません」。

払いすぎた場合の対処も明記されています。「デポジットを払いすぎた場合、テナントは翌月の家賃からその額を差し引くことができます」。ただし「払いすぎを理由に家賃の支払いを減らす場合、テナントは書面で大家に伝えなければなりません」とされています。

もうひとつ重要な点。「テナントがデポジットを支払った時点で、テナンシーは成立したとみなされます。大家は、そのユニットを他の人に貸すことを決められません」。「まだ契約書にサインしていないから」は、この州では通りません。

起点は「転送先住所を書面で伝える」
BC州の制度は、テナント側の1つの行動から動き始めます。
「テナンシーが終了したら、テナントは、デポジットを送付できる転送先住所(forwarding address)を書面で大家に伝えなければなりません」。
そしてここに猶予があります。「これは通常、テナントが退去する直前または直後に行われますが、テナントはテナンシー終了から1年以内であれば転送先住所を提供できます」。帰国後に気づいても、1年以内なら動けるということです。
住所を受け取った後の大家の義務。「大家がテナントの転送先住所を受け取ったら、問題がなければ15日以内に、利息を付けてデポジットを返還しなければなりません」。
そして「大家はデポジットの返還にあたって手数料を請求できません」と明記されています。
大家が独断で保持することもできません。「大家は、自分の判断だけでデポジットを保持することはできません。保持するには、テナントの書面による許可、または住宅賃貸局(RTB)の正式な命令を得なければなりません」。
15日以内に何もしなかった場合。「大家が15日の期限内に何の行動も取らない場合、テナントはdirect request application(直接請求申請)を行い、大家にデポジットの返還を求めることができます」。そして「大家は、デポジットの2倍の額をテナントに支払うよう命じられる可能性があります」。
申請できるタイミングも定められています。「テナントは、テナンシーが終了し、かつ大家に転送先住所を伝えてから20日後に、direct request applicationを提出できます」。
15日待って、20日目に申請できる。この5日の差が、制度の設計です。

利息は毎年変わります(2026年は0%)

BC州では、デポジットに利息が付きます。公表されている利率は次のとおりです。 「大家は、デポジットを返還する前、控除への同意をテナントに求める前、またはデポジットの保持を求めて紛争解決を申し立てる前に、デポジットの全額に対して発生した利息を計算しなければなりません」とされています。
1年程度の滞在で、2026年は0%です。金額としては大きくありませんが、「利息をつけて返す」という義務が制度に書かれていること自体が、このデポジットの性質を示しています。預かり金であって、大家の収入ではないということです。
大家が変わった場合も明記されています。「大家が変わる、または賃貸ユニットが売却された場合、新しい大家がテナントへのデポジット返還について責任を負います」。 あわせて読みたいワーホリの職場トラブル|我慢しないための相談先と動き方ワーホリ中の雇用・職場トラブルへの備え方。給与未払い、不当なシフト削減、ハラスメント、悪質なファーム。語学のハンデが声を

英国:30日と、最大3倍

大家は、手元に置けません

GOV.UKは、こう記載しています。「2007年4月6日以降に開始したassured shorthold tenancyで住宅を借りている場合、大家はあなたのデポジットを政府承認のテナンシー・デポジット・スキーム(TDP)に預けなければなりません」。そして「大家または不動産業者は、デポジットを受け取ってから30日以内にスキームに預けなければなりません」。

承認されているのは3つ——Deposit Protection Service、MyDeposits、Tenancy Deposit Schemeです。

同じ30日以内に、10項目の情報を伝える義務もあります。物件の住所、デポジットの金額、どう保護されているか、スキームと紛争解決サービスの連絡先、どのような理由でデポジットの一部または全部を保持することになるか——など。

預けなかった場合。テナントは郡裁判所に申し立てることができ、手数料は£387(勝訴すれば大家から回収可能)。裁判所は「命令から14日以内に、デポジットの最大3倍を支払う」よう命じることができるとされています。

そしてもうひとつ。「大家が本来使うべきTDPスキームを使わなかった場合、裁判所は、テナンシーが終了してもあなたが物件を退去しなくてよいと判断することがあります」。

お金だけの話ではない、という点でBC州と設計が異なります。詳細はこちらの記事で扱っています。

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豪州NSW州:州が持ち、自分から請求できます

預け先が政府機関そのものです

NSW Fair Tradingは「レンタルボンドとは、テナントが大家または業者に支払い、NSW Fair Tradingが担保として保持する金銭です」と記載しています。民間スキームを経由せず、州の機関が直接持ちます。

そして返還請求は、テナント側から始められます。「大家がボンドを解放するのを待つ必要はありません。もともとオンラインでボンドを提出しており、テナンシー終了後にやるべきことをすべて済ませているなら、Rental Bonds Onlineでボンドを請求できます」。

大家には受け入れるまでに最大14日。受理されれば2営業日で指定口座に振り込まれるとされています。

大家が差し引きたい場合、7日以内の証拠提出義務があります。コンディションレポートの写しと、見積・請求書・領収書の写し。「証拠を提供しない場合、これはResidential Tenancies Act 2010違反です」と明記されています。

そして期限を過ぎた後の道も残されています。「テナントは、ボンドがすでに支払われた後であっても、支払いから6か月以内であれば審判所に行くことができます」。詳細はこちらの記事で扱っています。

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ニュージーランド:まず「対象かどうか」から

署名しているかどうかで変わります

ニュージーランドの制度で最初に確認すべきなのは、金額でも期限でもありません。自分が法の対象になっているかどうかです。

契約書に署名していない同居人は、法律上「フラットメイト」であり、住居賃貸借法の対象外とされています。この場合、ボンドについても法定の預託制度の外に置かれます。

つまり「敷金を払ったのに戻ってこない」という状況が起きたとき、そもそも使える制度がないという事態があり得ます。

これは他の3か国と根本的に違う論点です。BC州・英国・NSW州では「制度がどう動くか」を知ればよいのに対し、ニュージーランドでは「自分が制度の中にいるか」から始まります。詳細はこちらの記事で扱っています。

シェアハウスで部屋を借りる場合、契約書に自分の名前があるかどうかを確認してください。これは金額よりも先に効いてくる話です。

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ルームメイトが先に帰国したら

BC州とNSW州で、扱いが正反対です
シェア物件で誰かが先に出ていく——ワーホリでは日常的に起きることです。この場面で、2つの制度は逆の答えを出します。
BC州:「テナントが退去し、その人が契約書に記載された複数のルームメイトの1人である場合、全員が退去し、検査が完了するまで、デポジットは戻りません」。
NSW州:「共同テナントの1人がシェアテナンシーから退去し、自分のボンドの返還を求めた場合、残るテナントは、未払い家賃やその他の合理的な費用を差し引いたうえで、要求から14日以内にそのボンドを返済しなければなりません」。
BC州では、先に出ていく人は待たされます。全員が出るまで戻りません。
NSW州では、残る人が14日以内に払います。州の機関からではなく、残ったルームメイトが自分の財布からです。
この違いは、シェアに入る前に知っておく価値があります。「先に帰国する人にいくら返すのか」を、あとから話し合うことになるからです。
NSW州にはもうひとつ、知っておくべき設計があります。「主たるテナント(principal tenant)は、全員を代表して返還請求を行い、ボンドの返金を他のテナントに分配すべきです」。つまり全員分が、いったん1人の口座に入ります。誰が主たるテナントなのかは、入居時に確認しておくべき事項です。
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同じカナダでも、州によって真逆です

オンタリオ州には「敷金」がありません
ここまでカナダBC州の制度を見てきましたが、カナダの中でも州によって設計が違います。その差がもっとも大きいのがオンタリオ州(トロント)です。
オンタリオ州政府は、こう記載しています。「大家が徴収できるのは、最後の月の家賃のデポジットと、返金可能な鍵デポジットのみです。テナントは、ペットデポジットやダメージデポジットなど、それ以外のいかなる形のデポジットも提供する必要はありません」。
つまりBC州では合法な「初月家賃の半額のデポジット」が、オンタリオ州では請求できません。あるのは「最後の月の家賃を先に預ける」仕組みだけで、大家はそれをテナンシー最後の期間の家賃に充当しなければならないとされています。修繕費に使うことは想定されていません。
そして「契約書に書いてあっても無効」という規定があります。「法のもとでの権利や責任を奪おうとする追加条項は無効であり、執行できません」——その例として「法で認められていないデポジットを支払わせる条項(例:ダメージデポジットやペットデポジット)」が明示されています。
払いすぎた場合は、Landlord and Tenant Boardに申し立てて返金を受けられるとされています。
この記事の表に、カナダを1行で書けない理由がここにあります。「カナダの敷金は家賃の半額まで」はBC州の話であって、カナダの話ではありません。渡航先が州単位で決まる国では、制度も州単位で確認する必要があります。トロントの生活バンクーバーの生活で、それぞれ扱っています。

4か国に共通するもの

コンディションレポートです

預け先が違い、期限が違い、倍率が違う。それでも4つの制度すべてが、同じものを中心に置いています。入居時と退去時の状態記録です。

BC州はこれを、権利の条件として明文化しています。「大家がデポジットへの請求権を維持するには、テナントに少なくとも2回の検査の機会を提供し、コンディション検査報告書を完成させ、署名してテナントに写しを渡さなければなりません」。

そしてテナント側にも同じ構造があります。「テナントは、デポジットへの権利を維持するために、検査に参加し、コンディション検査報告書を完成させて署名しなければなりません」。「テナントが大家の退去時検査の要請に参加しない場合、テナントはデポジットの返還を受ける権利を失う可能性があります」とも明記されています。

逆もまた真です。「大家がコンディション検査報告のために立ち会わなかった場合、大家はデポジットを徴収する権利を失う可能性があります」。

NSW州では、退去前に済ませる6項目のひとつに「大家とコンディションレポートに署名して確定させた」が入っています。基準は「きれいかどうか」ではなく「入居時と比べてどうか」です。

英国では、紛争解決サービスの決定が「最終的なもの」とされています。だから証拠が結論を決めます。

つまり4か国とも、写真とレポートが最後にものを言う設計になっています。入居初日の30分が、退去時のいちばん強い材料になります。

ついでに知っておくと得なこと(BC州)

請求してはいけない費用が定められています

BC州の同じページには、デポジット以外の手数料についても規定が並んでいます。ワーホリで部屋を借りる人に関係するものを抜き出します。 そしてテナント側の義務も定められています。「テナントは、テナンシー契約に署名してから30日以内にセキュリティデポジットを支払わなければなりません」。支払わない場合、大家は退去通知を出せるとされています。
また「テナントは、大家の書面による許可なしに、デポジットを家賃に充当することはできません」とされています。「最後の月の家賃はデポジットで相殺」という慣行は、書面の合意がなければ成立しません。

渡航前に、1つだけ

「敷金は戻ってこないものだ」という話は、正確ではありません。どの国にも、返さなかった場合の制度があります。BC州は2倍、英国は最大3倍。NSW州では支払い後6か月まで争えます。

違うのは、誰がお金を持つかです。大家が持つのか、州が持つのか、承認された民間スキームが持つのか。そこで、あなたが取るべき最初の行動が変わります。

そして4か国すべてに共通するのが、入居時の記録です。制度がどれだけ整っていても、最後は「入居時と比べてどうか」で判断されます。

初日の30分が、退去時のいちばん強い材料になります。

この記事について:運営者はカナダで12ヶ月(バンクーバー5ヶ月・バンフ7ヶ月)、米国で半年を過ごしましたが、英国・オーストラリア・ニュージーランドには渡航していません。またカナダでの賃貸手続きについても、本記事は個人の記憶ではなく公的資料をもとに整理しています。
出典は次のとおりです(いずれも2026年8月時点で確認)。カナダBC州:Residential Tenancy Branch(ブリティッシュコロンビア州政府)/カナダオンタリオ州:オンタリオ州政府「Renting in Ontario: your rights」「Tenancy deposits and fees」「Moving out of rental units」(いずれも2026年3月4日更新)。根拠法はResidential Tenancy Act。/英国:GOV.UK「Tenancy deposit protection」(2024年11月5日更新)。/豪州NSW州:NSW Fair Trading「Residential rental bonds」「Getting your bond back at the end of a tenancy」「Dealing with bond disputes for tenants」。根拠法はResidential Tenancies Act 2010。/ニュージーランド:Tenancy Services(MBIE)。
本記事が扱うのは、カナダはブリティッシュコロンビア州、英国はイングランドおよびウェールズ、オーストラリアはニューサウスウェールズ州の制度です。オンタリオ州・アルバータ州、スコットランド・北アイルランド、ビクトリア州・クイーンズランド州などには別個の制度があります。
本記事では、豪州NSW州のボンド額の上限、何が「通常の損耗」に当たるかの判断基準、各国の紛争解決手続きの詳細と手数料、立ち退き(eviction)の手続き、裁判所や審判所が倍率をどう判断するかの基準については扱っておらず、判断も示していません。これらについては各国の公式ページまたは専門家にご確認ください。制度・金額・利率・期限は変更されます。個別の賃貸トラブルについては、各国の支援団体(英国のCitizens Advice、NSW州のTenants' Union of NSW、BC州のResidential Tenancy Branchなど)または専門家にご相談ください。本記事は法的助言ではありません。

渡航後の手続きは、住所と連絡先が決まってから動き出します。逆に言えば、その2つがない間は何も進みません。

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退去の通知は、シェアハウスだと影響範囲が変わります

NZ公式は「1人のテナントが通知すると、すべてのテナントについて賃貸借を終了させる」と明記しています。NSWには自分の分だけ終わらせる項目があります。同じ21日でも設計が違います。

退去は何日前に伝えるのか|NZとNSWの違い

よくある質問

ワーホリの敷金は、どの国でも戻ってきますか?

どの国にも、返還されない場合に備えた制度があります。ただし設計が異なります。カナダBC州では大家がデポジットを保持し、転送先住所を書面で受け取ってから15日以内に利息をつけて返す義務があります。15日以内に何もしなければ、大家はデポジットの2倍の支払いを命じられる可能性があるとされています。英国(イングランド・ウェールズ)では大家が政府承認の民間スキームに30日以内に預ける義務があり、預けなかった場合は裁判所が最大3倍の支払いを命じることができます。豪州NSW州ではNSW Fair Tradingという州機関が直接保持し、テナントは大家を待たずに返還請求ができます。ニュージーランドでは、まず自分が法の対象になっているかどうかから確認する必要があります。

カナダBC州の敷金の上限はいくらですか?

BC州住宅賃貸局によれば、セキュリティデポジットは初月家賃の半額を超えることができません。公式の例では「月額家賃1,500ドルなら、デポジットは750ドルを超えられない」と示されています。ペットデポジットも同じく初月家賃の半額が上限で、これは許可されるペットの数にかかわらず適用されます。両方を請求される場合、合計で1か月分の家賃が上限になります。なおデポジットの額は当初のテナンシー契約時の家賃で決まり、後に家賃が変わっても当初の額は変わらないとされています。払いすぎた場合は、書面で大家に伝えたうえで翌月の家賃から差し引くことができるとされています。また盲導犬・介助犬はペットとみなされず、ペットデポジットを請求できません。

BC州で敷金が戻ってこないときは何をすればいいですか?

起点は「転送先住所を書面で伝える」ことです。BC州住宅賃貸局は、テナンシー終了時にデポジットの送付先となる転送先住所を書面で大家に伝えなければならないとしています。これはテナンシー終了から1年以内であれば提供できるとされています。大家はその住所を受け取ってから15日以内に、利息をつけてデポジットを返還する義務があります。15日以内に大家が何の行動も取らない場合、テナントはdirect request application(直接請求申請)を行うことができ、大家はデポジットの2倍の支払いを命じられる可能性があるとされています。この申請は、テナンシーが終了し転送先住所を伝えてから20日後に提出できるとされています。なお大家は独断でデポジットを保持できず、テナントの書面による許可か、住宅賃貸局の正式な命令が必要です。

シェアハウスでルームメイトが先に帰国したらどうなりますか?

国によって扱いが正反対です。カナダBC州では「テナントが退去し、その人が契約書に記載された複数のルームメイトの1人である場合、全員が退去し検査が完了するまでデポジットは戻りません」とされています。先に出ていく人は待つことになります。一方で豪州NSW州では「共同テナントの1人が退去し自分のボンドの返還を求めた場合、残るテナントは未払い家賃やその他の合理的な費用を差し引いたうえで、要求から14日以内にそのボンドを返済しなければなりません」とされています。つまり残った人が自分の財布から払う構造です。またNSW州では主たるテナント(principal tenant)が全員を代表して請求し、返金を他のテナントに分配すべきとされているため、誰が主たるテナントかは入居時に確認しておく価値があります。

4か国に共通して、やっておくべきことは何ですか?

入居時と退去時の状態記録(コンディションレポート)です。BC州はこれを権利の条件として明文化しており、大家が請求権を維持するには「テナントに少なくとも2回の検査の機会を提供し、報告書を完成させ、署名して写しを渡す」必要があるとしています。テナント側も「検査に参加し、報告書を完成させて署名しなければならない」とされ、参加しない場合は返還を受ける権利を失う可能性があると明記されています。逆に大家が立ち会わなければ、大家が徴収する権利を失う可能性があるともされています。NSW州でも退去前の6項目のひとつにコンディションレポートへの署名が入っており、英国では紛争解決サービスの決定が「最終的なもの」とされているため証拠が結論を決めます。入居初日に全部屋を撮影しておくことが、4か国すべてで最後の材料になります。

BC州で、大家が請求してはいけない費用はありますか?

定められています。BC州住宅賃貸局によれば、賃貸申込みの受付・審査・処理に対する手数料は請求できません。鍵については、唯一の入館手段である場合は請求できず、追加の鍵には請求できるものの交換費用を超えてはならず、返却時には返金されなければならないとされています。家賃の延滞料は返金不可の形で請求できますが25ドルを超えてはならず、かつテナンシー契約書に明記されている必要があります。建物内での引越手数料は15ドルまたは月額家賃の3%を超えてはならないとされています。またテナント側にも義務があり、テナンシー契約に署名してから30日以内にデポジットを支払わなければならず、支払わない場合は大家が退去通知を出せるとされています。なおデポジットを家賃に充当することは、大家の書面による許可なしにはできません。

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本記事の制度・条件・金額は執筆時点で公開情報を確認したものです(確認日:2026年8月8日)。制度や料金は変更される場合があるため、実際の手続き・申請の前に各機関の公式情報を必ずご確認ください。本記事は法的・専門的な助言ではなく、特定の結果を保証するものではありません。