豪州・NZの就労ビザはどう取るか|雇用主が先に動く構造を理解する【2026年版】

豪州とNZの就労ビザ|雇用主が先に動く制度の進め方

数字から言います。ニュージーランドの主要な就労ビザ(AEWV)は、最長5年の滞在が可能です。ただし職種の技能水準が低い区分に該当する場合は3年とされています。

そしてこの制度には、日本人があまり知らない構造があります。あなたが申請する前に、雇用主の側で2つの手続きが完了していなければなりません。雇用主の認定(accreditation)と、その職についてのJob Checkです。

オーストラリアも構造は同じです。就労ビザは「適したオーストラリア人を見つけられない場合に、雇用主がスポンサーする」仕組みとして設計されています。

論点は1つです。あなたが動く前に、雇用主が動ける状態にあるか。ここを確認せずに「スポンサーしてほしい」と頼んでも、話は進みません。

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結論:両国とも「雇用主が先に動く」構造になっている

順番ニュージーランド(AEWV)オーストラリア(Skills in Demand・482)
雇用主が認定(accreditation)を取得する雇用主がスポンサーとしての資格を得る
その職についてJob Checkを申請するその職について指名(nomination)を行う
本人がAEWVを申請する本人がビザを申請する
ここが最大の見落とし:①と②が終わっていない雇用主は、そもそも雇えない
「この職場で働き続けたい」と思っても、雇用主が認定を取っていなければ、話は前に進みません。認定には雇用主側の手続きと費用が発生します。
だから確認すべきは「スポンサーしてくれますか」ではなく、まず「御社は認定を持っていますか」です。持っていれば話は早く、持っていなければ「これから取る意思があるか」という別の問いになります。
ニュージーランドについては、認定を受けた雇用主の一覧が公開されています。就職先を探す段階で、この観点から絞り込むことができます。
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ニュージーランドのAEWV|求められるもの

ニュージーランド移民局の情報によると、AEWVについては次のような要件が示されています。

本人に求められるもの(主なもの)

出典:ニュージーランド移民局 Accredited Employer Work Visa(確認日:2026年8月9日)
要件は変更されます。実際の申請前に必ず移民局の公式情報で最新の内容を確認してください。

雇用主側に課される「NZ人を先に探す」義務

Job Checkを申請する前に、雇用主はその職に適したニュージーランド人がいないかを確認し、ニュージーランド人を採用するための真摯な努力をしなければならないとされています。

これは求職者にとって重要な意味を持ちます。あなたが選ばれるには、その職に適した現地の人材が見つからない状態である必要があるということです。裏を返せば、現地で人が集まる職種では、この制度は使いにくいということでもあります。

知っておくべき保護規定:雇用主は求職者に費用を請求できない

ニュージーランド移民局は、雇用主やエージェントが、仕事の対価として求職者に手数料を請求したり、採用にかかる費用を負担させたりすることはできないとしています。

これは覚えておいてください。「スポンサー料」「ビザ手配費」といった名目で金銭を要求されたら、それ自体が問題のある兆候です。金額の多寡にかかわらず、応じる前に移民局の公式情報を確認し、必要なら公的な窓口に相談してください。

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オーストラリアのSkills in Demand(482)|構造

オーストラリア内務省の情報によると、このビザは「適切な技能を持つオーストラリア人労働者を確保できない場合に、雇用主が技能を持つ労働者をスポンサーして職を埋められるようにする一時的なビザ」と説明されています。

3つのストリーム(区分)

申請者は、免除に該当しない限り英語力の基準を満たすことが求められるとされています。また対象となる職種については職種リストの仕組みがあります。
出典:オーストラリア内務省 Skills in Demand visa (subclass 482)(確認日:2026年8月9日)
正直に書きます:具体的な数値要件は本記事では扱いません
必要な職務経験の年数、賃金の下限、対象職種の範囲といった具体的な基準は制度改定の影響を受けやすく、本記事の執筆時点で公的な一次情報から確認しきれませんでした。不確かな数字を書くほうが害が大きいと判断し、ここでは構造の説明にとどめています。
実際の判断にあたっては、必ずオーストラリア内務省の公式サイトで各ストリームの要件を確認してください。不明な点は、認定を受けた移民代理人(registered migration agent)への相談を検討してください。
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NZは2025年に、賃金のハードルを外しました

ニュージーランドの就労ビザについて、2025年に大きな制度変更がありました。日本語の情報がまだ追いついていない可能性が高い部分です。

中央賃金(median wage)の要件が撤廃されました
ニュージーランド移民局は、こう案内しています。「2025年3月10日から、AEWVおよび季節労働者ビザ(SPWV)の政策のもとで労働者を採用する雇用主は、中央賃金を支払うことを求められなくなりました」。
そして代わりに何が基準になるのか。「代わりに、ニュージーランドの最低賃金以外に、定められた賃金の下限はありません」。
これは方向として大きな変更です。それまでAEWVには「中央賃金以上を払うこと」という条件があり、これが就労ビザへ移行するときの実質的な壁になっていました。その壁が外れたということです。
ワーホリから現地就職を目指す人にとっては、追い風の方向に見える変更です。雇用主が「中央賃金を払えないから雇えない」と言う理由がなくなったからです。
ただし、これで条件が消えたわけではありません。賃金という一本の物差しが外れた分、職業と技能レベルによる管理が前に出ています。移民局は職業リスト(National Occupation List)とスキルレベルの枠組みを運用しており、どの職業でどのスキルレベルに該当するかが、これまで以上に効いてきます。
「賃金が足りるか」から「その職種が対象か」へ、確認すべきポイントが移ったと考えるのが実務的です。

ただし、中央賃金に連動したままの設定があります

移民局は「AEWVの一般的な中央賃金要件は2025年3月に撤廃されたが、一部の移民設定は依然として中央賃金に連動している」としています。
そして数字が公表されています。移民中央賃金は2026年3月9日から時給 NZD 35.00(2025年6月のデータに基づく)とされ、これに連動する閾値も自動的に更新されます。 この2行は、実務上とても重要です。「パートナーサポート閾値」とは、自分のパートナーをニュージーランドに帯同させる(パートナーのビザを支える)ために必要な収入の水準です。
つまり「自分が働くだけ」なら賃金の下限は最低賃金だけになった一方で、「パートナーを呼ぶ」なら別の数字が残っているということです。
そしてスキルレベル4〜5では、閾値が時給52.50と非常に高く設定されています。スキルレベルによって、パートナーを支えられるかどうかが大きく変わる設計です。
カップルで渡航して現地就職を目指す場合、この差は計画の前提になります。カップル・夫婦でのワーホリで、2人で動く場合の論点を扱っています。
なお本記事では、どの職業がどのスキルレベルに該当するか、パートナービザの個別要件については扱っていません。職業リストとスキルレベルは改定されるため、必ず移民局の最新のページでご確認ください。

オーストラリアは、所得の閾値が残っています

一方のオーストラリアは、逆の設計です。Skills in Demandビザ(subclass 482)には複数のストリームがあり、Core Skills(中核技能)Specialist Skills(専門技能)では、それぞれ所得の閾値が設定されています。
そしてこれらの閾値は、毎年インデックス調整(annual indexation)されるとオーストラリア内務省は案内しています。つまり毎年上がり得るということです。
本記事では、この閾値の具体的な金額は確認できていないため記載しません。金額は年度によって変わるため、検討する時点で内務省の「Salary requirements to nominate a worker」のページで必ず確認してください。
ここで押さえておきたいのは、金額そのものより2か国の方向の違いです。 この違いは、狙い方を変えます。NZなら「その職種が対象リストにあるか」を先に確認する。豪州なら「提示される年収がその年の閾値を超えるか」を先に確認する。同じ「就労ビザ」でも、雇用主と最初に詰めるべき論点が違うということです。
そして両国に共通するのは、記録が残る働き方をしているかという点です。賃金の基準がどう変わっても、就労経験を証明できなければ申請の土台に乗りません。 あわせて読みたい豪州・NZのエージェント比較|無料相談の使い方と選び方オーストラリア・ニュージーランドのワーホリでエージェントをどう選ぶかを解説。留学ジャーナル・ISS留学ライフ・ラストリゾ

2ヶ国を比べると、狙い方が変わる

ニュージーランドオーストラリア
雇用主の準備認定+Job Check。認定事業者は一覧が公開されているスポンサー資格+指名
滞在できる期間多くの職で最長5年(低技能区分は3年)ストリームによる
本人の資格要件資格レベルと、分野の一致が明示されているストリームと職種による
職務経験の証明第三者による裏づけを明確に求めているストリームによる
探し方の戦略認定事業者リストから職場を選べるスポンサー実績のある企業を探す

実務的に大きいのは、ニュージーランドは認定を受けた雇用主の一覧が公開されている点です。つまり「そもそも雇える会社」から先に絞り込める。これはワーホリ中の職探しの段階から使える情報です。

運営者の視点:職場を選ぶ基準に「制度」を1つ足す

運営者はカナダで12ヶ月を過ごし、帰国を選びました。だからこの2ヶ国で就労ビザを取った当事者ではありません。制度の整理と、現地で見聞きした範囲の話として書きます。

そのうえで、カナダでも同じ構図を見てきました。残りたいと思った時点で、勤めている職場に制度上の受け皿がなかったという人が何人もいました。本人の働きぶりは関係ありません。会社側が対応できなければ、そこで終わりです。

だから伝えたいのは1つです。職場を選ぶとき、時給や雰囲気に加えて「この会社は制度上、外国人を雇える立場か」という基準を1つ足してください。ニュージーランドなら公開されている一覧で確認できます。オーストラリアなら、過去にスポンサーをした実績があるかを面接の場で聞けます。

この1つの質問を最初にするかどうかで、1年後の選択肢がまったく変わります。そして繰り返しますが、残らない選択も同じくらい正当です。運営者は帰国して、渡航前の年収450万円から800万円台になりました。

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ワーホリ中に、いつ何を確認するか

時期やること
職探しの段階その雇用主が制度上の資格を持っているかを調べる(NZは一覧が公開されている)
面接時「過去に海外からの人材を雇った経験はありますか」と聞く。自然な質問として通ります
働き始めて3ヶ月信頼を作る。制度の話はまだしない
6ヶ月時点長く働きたい意思を伝える。反応で可能性が測れる
8〜9ヶ月具体的に相談。雇用主側の手続きにも時間がかかる前提で逆算する
並行して職務経験の証明になる書類を集める。在職中でないと集めにくい
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準備しておく書類

ニュージーランドの要件で明示されているように、職務経験は「本人以外による証拠」で示す必要があります。これは他国でも共通する考え方です。

推薦状は「辞めるとき」に依頼するのが最も自然です。時間が経つほど、担当者の異動などで難しくなります。

現地の仕事探しで効くのは、応募数でも運でもなく「英語で最初の3分を乗り切れるか」です。電話、店頭での声かけ、面接の冒頭。ここが詰まると、条件の良い求人ほど先に埋まります。

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英語スコアは、行き先の種類で位置づけが変わります

外務省が挙げるワーホリ査証の発給要件に、英語スコアの項目はありません。語学学校も多くは入学時テストでクラス分け。スコアが入口になるのは進学と就労ビザ・永住です。

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よくある失敗

失敗①:制度を調べる前に職場を決めてしまう

雇用主に受け皿がなければ、どれだけ評価されても道は開きません。職探しの段階で確認すべきことです。

失敗②:本人の要件だけを見て、雇用主側の負担を見ていない

雇用主にも手続きと費用が発生します。「自分が要件を満たしているか」だけでは足りません。

失敗③:書類を集めずに退職する

職務経験の証明は第三者からのものが必要です。在職中に依頼してください。

失敗④:金銭の要求に応じてしまう

ニュージーランドでは、雇用主やエージェントが求職者に採用費用を負担させることはできないとされています。要求されたら、応じる前に公的な情報を確認してください。

今日からできる3つのこと

豪州もニュージーランドも、就労ビザは「雇用主が先に動く」制度です。本人の努力だけでは動きません。だからこそ、動ける相手を選ぶところから始めてください。

本記事は制度の一般的な整理であり、移民に関する法的助言ではありません。要件・期間・対象職種は変更されます。実際の申請にあたっては、ニュージーランド移民局およびオーストラリア内務省の公式情報を確認し、必要に応じて認定を受けた移民アドバイザー・移民代理人にご相談ください。

よくある質問

ニュージーランドのAEWVでは何年働けますか?

ニュージーランド移民局の情報によると、多くの職で最長5年とされています。ただし職種の技能水準が低い区分(ANZSCO skill level 4・5)に該当する場合は3年とされています。要件は変更されるため、申請前に必ず移民局の公式情報で確認してください。

AEWVを申請するには何が必要ですか?

本人側では、NZQCFレベル4以上の資格があり、その資格または職務経験が応募する職と同じ分野・業界であることが求められます。学士以上を持っている場合は分野を問わないとされています。また職務経験は本人以外の第三者による証拠が必要で、前雇用主の推薦状に加えて雇用証明・給与明細・納税証明などの裏づけが求められます。技能水準が中〜低位の職では英語力の証明も必要です。

雇用主側にはどんな手続きが必要ですか?

ニュージーランドでは、雇用主がまず認定(accreditation)を取得し、その職についてJob Checkを申請する必要があります。Job Checkの前には、その職に適したニュージーランド人がいないかを確認し、ニュージーランド人を採用する真摯な努力をしなければならないとされています。つまり本人が申請する前に、雇用主側で2つの手続きが完了している必要があります。

スポンサー料を請求されたのですが払うべきですか?

ニュージーランド移民局は、雇用主やエージェントが仕事の対価として求職者に手数料を請求したり、採用にかかる費用を負担させたりすることはできないとしています。金額にかかわらず、応じる前に移民局の公式情報を確認し、必要であれば公的な相談窓口に相談してください。

オーストラリアの482ビザの具体的な要件は何ですか?

このビザは、適切な技能を持つオーストラリア人労働者を確保できない場合に雇用主がスポンサーする仕組みで、Core Skills・Specialist Skills・Labour Agreementの3つのストリームがあります。申請者は免除に該当しない限り英語力の基準を満たす必要があるとされています。必要な職務経験の年数や賃金の下限といった具体的な基準は制度改定の影響を受けやすいため、必ずオーストラリア内務省の公式サイトで最新の内容を確認してください。

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運営者は渡航前年収450万円から、帰国後に大手メーカーへ転職して800万円台になりました。使ったエージェントと3社並行の進め方をまとめています。

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この記事について:運営者はカナダで12ヶ月、米国で半年を過ごしましたが、オーストラリア・ニュージーランドには渡航していません。本記事は制度を公的資料から整理したものです。
出典はニュージーランド移民局(Immigration New Zealand)の案内(AEWVと中央賃金に関する変更/賃金率の要件)およびオーストラリア内務省(Department of Home Affairs)「Skills in Demand visa (subclass 482)」「Salary requirements to nominate a worker」です(いずれも2026年8月時点で確認)。オーストラリアの所得閾値(CSIT/SSIT)の金額は本記事では確認していないため記載していません。閾値は毎年インデックス調整されます。
本記事では、ビザの発給可否の判断、個別の職業がどのスキルレベル・対象リストに該当するかの判定、雇用主の認定要件、パートナービザの個別要件、永住への移行可否については扱っておらず、判断も示していません。移民制度は頻繁に改正されます。個別の申請については、各国の移民当局または登録された移民アドバイザー(NZ)・登録移民代理人(豪)にご相談ください。本記事は法的助言ではありません。

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本記事の制度・条件・金額は執筆時点で公開情報を確認したものです(確認日:2026年8月8日)。制度や料金は変更される場合があるため、実際の手続き・申請の前に各機関の公式情報を必ずご確認ください。本記事は法的・専門的な助言ではなく、特定の結果を保証するものではありません。